秋冬2018総合カタログ
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- やはり10年位かかりましたね。その後 碧南鮮紅人参のF1化に取り組みまし た。碧南は土壌が特殊で、品種改良に は大変苦労しました。 司会■長年の地元の篤農家さん、種苗メーカ ー、大場顧問のご苦労が実となって、 F1碧南鮮紅とも言える現在の「碧南 美人人参」で生産者の方に喜んでいた だけたわけですね。 川西■「へきなん美人」は碧南の市長さんが命名し、人参の出荷ブランドとなってい ます。大場さんは仕事に行き詰まると行き先のホワイトボードに「碧南」と書 いて、ずいぶん通っていましたね。 大場■「私の碧南時代」と呼んでいます(笑) 。 司会■碧南に行き始めた当時の大場顧問はまだ20代と若いのにすごい仕事をされまし たね。 大場■ 駆け出しの頃に碧南に入って、よし、ここでやってやろうと。渥美半島には 大先輩がいるので、ちょっと遠いエリアを自分で切り開きたいという思いがあ りました。 司会■そんな熱い思いが、碧南で花開いたんですね。F1品種として軌道に乗るまで、 足掛け30年という長い間取り組み、産地にも会社にも貢献されました。 大場■F1化自体は一気に進みました。F1に変わったことで、色と大きさ、形状が均 一になり、病気にも強くなりました。ここ10年ほどは人参も機械掘りになって きていて、それに対応して葉軸のしっかりした品種に変えてきています。 川西■固定種の母本選抜というのは大変むずかしく、試行錯誤の連続です。純正な良 い子ばかり残していくと、弱性化し、採種できなくなってしまいます。真面目 な方ばかりで揃えるのではなく、 個性的な方も採用することで良い状態となる、 組織と良く似ています(笑) 。新たに個性的な系統が入ることで、丈夫な良い 品種が出来上がる訳です。面白いものですね。 08
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