秋冬2018総合カタログ
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- 川西■トヨタネの農場も育種に力を入れて品種を生み出そうと努力したわけですが、 先にも出たように初歩的な育種なので、耐病性の遺伝子を付け加えることが出 来なかった訳です。種苗メーカーは耐病性遺伝子を加えたり、高度な育種を行 っていました。これはすべての品目に言えることで、例を出すと、豊橋で盛ん に作られていたファーストトマトには耐病性育種をトヨタネで行なうことがで きなかったので、種苗メーカーのF1ファーストトマト品種に変わっていきま した。 司会■「夏系15号」は今でも田原市を中心に作付けされている定番品種ですね。青肌 で中が果肉は少し白っぽいですが、栽培性は抜群でアールスメロンに取り組ま れる方にもお勧めしています。 全盛期には数万袋の種子が作付けされたと先輩方から聞いております。お客さ まに喜ばれたトヨタネの伝説的な品種のひとつですね。
篤農家と の協力で花開いた 碧南美人
司会■最後に、碧南の人参について取り上げま しょう。これはもう、大場顧問の独壇場 ですね(笑) 。 大場■私が営業で碧南に入ったのは昭和51年頃 からでしょうか。たまたま営業で西三河 に行きはじめて、碧南で篤農家の方にお 会いする機会がありました。当時は碧南 では 「碧南五寸人参」 が栽培されていて、 五寸といいながらも生産者ごとにタネを採種して育てていたので、人参の青果 物にバラつきがありました。地元の農協さんでも青果物の品質が揃わず人参を ブランドとして出荷できずに困っていました。そこで碧南人参の固定種の選抜 を始めました。地元の篤農家の方、種苗会社の方のご協力の元、品質の揃った 碧南鮮紅五寸人参を安定して採種し供給することが出来るようになりました。 生産者の方からは「タネ屋にタネをまかしておくと台風が来た時にどうするん だ」と言われていましたが、 いや、 そうじゃないですと説得してまわりました。 農家さんの心理に、いかに寄り添っていくかが課題でした。軌道に乗るまでは 07
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