秋冬2018総合カタログ
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- がありました。我が家 (川西種苗店) では メロンの実からタネを取っていたので、子 どもの頃、 メロンは食べ放題でした (笑) 。 大場■アールスメロンは作付けを繰り返す毎に 土壌病害が多くなっていくのが難点でし た。良質の固定種を栽培するのには、篤 農家としての高度な技術が必要でした。 当時サカタの「アールスナイト」という 品種が新しく導入されるようになり、果実の揃いと耐病性が強いということで渥 美地域を中心にお客様に喜ばれました。お客様も固定種を作り続けることに負担 を感じ始めていた方が多く、栽培性の高い「アールスナイト」は喜ばれました。 川西■「アールスナイト」の耐病性と、 「渥美アールス」をかけ合わせてトヨタネの F1品種を開発しようと種苗メーカーと共同で試行錯誤を繰り返していました。 そこで生まれたのが、 「試交(しこう)15号メロン」です。誰が作ってもネッ トがきれいに出て、これはお客様の喜ばれるぞと。7月から8月の収穫に威力を 発揮しました。 司会■「試交15号メロン」が「夏系15号メロン」と命名された訳ですね。 川西■「夏系15号」は果皮のネットが渥美アールスのよ うに細かく入り、肥大よくボリューム感がありま す。作りやすい夏系アールスメロンで、メロン品 評会で賞を受賞することが多く、外観も評価の高 い品種でした。現在も同じですが、当時はお中元 にメロンを送ることが流行していて、その習慣も 相まって、夏系15号メロンを本当に沢山作付けし ていただきました。 大場■F1品種は生産者の方がタネとりが出来ないもの ですから、一度F1を栽培すると毎年タネ屋から 買わなければならなくなります。生産者の方には デメリットとなるわけですが、F1品種の揃い性
トヨタネ株式会社 社長室顧問 大
や耐病性の高さといった観点から、お客様に受け 入れられ、F1メロン品種が主流となりました。
場正典
06
トヨタネ創業50周年記念特別企画
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