秋冬2018総合カタログ
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- 大場■そんなつもりはなかったのですけどね (笑) 。弁解するようですが、金田場長は 農家出身でもともと育種の専門ではなく、社内では「素人の品種改良」という 見方も多少ありました。種苗メーカーの品種が充実してきていた時期で、社内 で品種開発の方針について、議論があったのは事実です。 司会■豊川用水の通水を機に、渥美半島の露地メロンは飛躍的に発展しました。当時 のお客さんの話によれば、メロンを作るにはトンネル資材にお金がかかるので すが、資材の投資は問題にならない程メロンが売れたそうです。 大場■伊良湖ビューホテルの高台から周囲を見れば、眼下にメロンのトンネル栽 培で、一面真っ白に見えました。メロン全盛期を物語る印象的な風景でし たね。
新しい価値を創造した 耐寒陽春キ ャ ベツ
司会■お客様に喜ばれたキャベツ品種に、 「耐 寒陽春甘藍」がありました。昭和56年の 秋カタログに初めて載っています。その 前に「わかくさ」 、 「金春」などの春系品 種がありました。 「耐寒陽春」がお客様 に支持された理由は何処にあったのでし ょうか? 大場■「金春」は夏まきで冬採り。春系の品種は葉が柔らかいので11月から1月前半 の収穫が精一杯で、2月になると寒さで腐ってしまっていました。そのため厳 寒期どりのキャベツは当時、寒玉が主力でした。私たちが農協さん等で春系キ ャベツの講習会をやるときには、南向きの斜面に作ってくださいと説明したも のです。萎黄病の問題が起こってきたのを機に、寒玉よりも遅く播種すること が出来るこの「耐寒陽春」の導入が進んでいきました。生育のスピードは「金 春」と比べ遅いものの、 2月下旬から3月になっても収穫できるのが強みでした。 「金春甘藍」の後に収穫ができる品種としてお客様に喜ばれました。 川西■「耐寒陽春」が出る前は、寒玉の「うずしお」という品種が圧倒的に強かった 04
トヨタネ創業50周年記念特別企画
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