ブログ「農場日記」

2020.12.22 [ 農場日記 | 農場プレゼンツ ]

ウリ科野菜「接木工程やメカニズム」解説

 朝晩の冷え込みが一段と厳しくなり、本格的な冬を迎えました。

 ナーセリー(苗生産)において、冬春シーズンのウリ類(スイカ、メロン、キュウリなど)
接木苗の生産が本格的にスタートしております。

 今回はウリ科野菜の接木について、
その工程やメカニズムを解説していきたいと思います。

育苗

 ウリ類の接木には、ナスやトマトの接木と異なります。
基本的にプラスチック製のチューブを使用せずに、
穂木を台木に挿し込む「挿し接ぎ」と呼ばれる方法で接合します。

 まず、穂木と台木が接合した部分に褐色の糊(のり)状物質が発生してきます。
これを「カルス」といいます。

この「カルス」が仮導管細胞に分化し、仮の通導組織としてつながっていきます。
仮導管は養水分を台木から穂木に送る仮パイプの役目をします。

 順調に活着すれば、この仮導管が台木から穂木へ網目状に密に繋がります。
接木から5日目頃には細胞の隔壁が消失し、パイプ状の導管になります。
穂木、台木それぞれの導管が網目状に完全につながって初めて接木が完成します。

 接合部が活着するまで、およそ7日間。
穂木と台木の間で養水分を十分にやり取りできない間は、温度、湿度を一定に保ったトンネルや養生室で管理をしていきます。

 この間の温度、湿度などの管理の仕方、手のかけ方が苗の仕上がりを決めます。
更には本圃でのパフォーマンスを左右する重要なポイントとなります。

 今回説明させていただいた、接木に関する管理だけでなく、
播種から一次育苗、二次育苗における苗の状態においても、
緊張感と責任を持って、お客様に満足していただける苗作りに努めてまいります。

種苗部 h.n

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