現在農場では,葉ネギ栽培も行っております。
平成22年度が1年目の栽培でネギを見ながらの試作栽培です。
葉ネギの使い途では麺類やお吸い物,奴豆腐等が身近でしょうか。
ほかにも加工用など様々なニーズがある中では,食味,収量,細さや直立性など用途によって要求される性質は様々です。
葱の生育にも水管理が大きく関わります。
農場の試作栽培でも他の作物同様に生育初期に適切に水分が制限されると,根が十分に張り地上部がしっかり育つ様でした。
今作は冬向き品種を栽培中です。
冬向き品種の中にも周年栽培可能な品種が有ります。
夏向き品種と異なる品種特性(揃い性,樹姿等)を持つものがあることから,年中栽培される冬向き品種もあります。
現在栽培中の品種では,揃い性等の生育特性よりも食味重視のものや,細く硬く,じっくり育つ葱,比較的土目を選ばずに生育する品種,などなど色々な品種特性があります。
圃場で葱を観察等しておりますと大変興味深く感じています。
無加温ハウス内では最低気温が0度付近の寒い日が続きますが,寒さに負けないようにしたいものです。
研究農場 広田
1/6付の日本農業新聞「四季」欄によると,天気予報の「平年値」が今年5月から,1981-2010年の値に移行するそうです。
平年気温は10年毎の更新だそうです。
記事には“―温暖化が「平均的な気候」に近づく。物差しの目盛りが変わるだけだ”とも記載がありました。
「平年値」については日本気象協会や気象庁の頁に詳しい説明が有ります。
よく天気予報で「平年並み,平年より高い,低い」と言うのを聞きますが,この表現の基準が変わるのですね。
野菜の品種で言えば,耐暑性のある品種により注目が集まるかもしれません。
白菜は年明け獲り(80日型)の試し獲りが行われ,熟期を迎えつつあります。
白菜も年によっては耐寒性に優れた馬力型の品種がかえって育ちすぎてしまう事もあるかと思われます。
冬の時期が以前ほど冷え込まない年もあり温暖化言われる中でも,球を作ってから圃場における品種(=在圃性が長い)にも注目しています。
研究農場 広田
新年明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願いいたします
寒い日が続きますが,昼間のハウスの中は暖かく,日によっては作業中に軽く汗をかくこともあります。ハウス内で栽培中の大玉トマトの糖度調査を行いました。今回は100個以上の糖度測定が行われました。
下の写真の二つの器具は糖度計です。
水と空気の間で屈折が起こることは広く知られているかと思われますが,液体に物質(しょ糖等)を溶かしたときも,溶かす物質やその濃度により屈折率が変わります。その屈折率の違いを測定に利用するものが糖度計*です。
*註:糖分以外の酸味成分等でも屈折率は変化しますが,それらがひとまとめに糖度として表示されます。
左は透過式(アナログ式)の糖度計で自然光の下で使うのが一般的です。
測定試料(トマト果汁)を写真の糖度計の青い面に垂らしプリズムと試料間の屈折光をレンズを通して覗き込むことで糖度が分かります。
右は反射式の糖度計で,くぼみの片側に光源があり,光源から出た光が試料(トマト果汁)を通る事で屈折します。その屈折光を検出することで糖度が分かります。デジタル式糖度計の説明書には「測定の際には強い外光は大敵・・・強い外光がプリズムを通してセンサーまで迷い込むと,
正しい測定を妨げる(=強い外光がある中では影を作って測定)」との旨記載があります。この様な注意が必要なのですね。
農場にはありませんが,非破壊式の糖度計として,近赤外光を用いる糖度計もあります。(果実内の近赤外線の吸収度合い等の違いを利用。)
可視光,近赤外光(ヒトの感覚では認識で出来ないとされる)~遠赤外光(炭火などから発生)の順に波長が長くなります。近赤外線≒750 nm ~ 2500 nm を測定試料(野菜・果実等)に当て解析します。
やや固い話になってしまいましたが,本年もよろしくお願いいたします。
研究農場 広田