明けましておめでとうございます。とは言うものの昨年末に引き続き青果市場は全般的に軟調、しかも記録的な暖冬予想と重なり、生産者の皆様には厳しい幕開けとなりました。
また世界を見ればアメリカを巻き込んだ新たな中東戦争が勃発しかねない危険な情勢で、施設園芸に欠かせない重油価格の高騰も予断を許さない状況です。
良い話題の少ない新年ですが、夏には56年ぶりの東京オリンピックも予定されています。
弊社としてもこれからの情勢は徐々に良くなると信じて地道に努力を続けて参ります。
また一方、地球温暖化対策や海洋廃棄プラスチックごみ問題等に対しては農業分野においてもより具体的な取り組みが求められる時代が到来しつつあると感じています。
そうした中ではありますが、園芸農業の相対的な価値観は益々上昇しています。
すでに国内農業産出額において「野菜」は「お米」をはるかに抜いています。
また増え続けるインバウンド需要の中でも日本の「食」文化に対する評価は高く、それは新鮮で美味しい野菜や果物において顕著です。
江戸時代までの日本は獣食禁止、「一汁一菜」が食の基本であり、今で言う「野菜」の概念は乏しく、野菜は「青物」として穀類を食べるための添え物でしかありませんでした。
それが現代では栄養学的にもビタミン、ミネラル、植物繊維の補給、また食卓の彩りとして、またダイエットを含む健康管理上、または思想信条の上でも最重要な食材となりました。
需要と供給のバランスの変化、異常気象等によって市場価格は乱高下するものの、より美味しく、安全で新鮮な野菜も求める国民の声はこれから益々高くなることは間違いありません。
そんな想いを大切にして今年も頑張ってまいります。
次号ではもう少し「野菜の今昔」について深堀しようと思っています。
どうか本年もよろしくお願い申し上げます。
川西 裕康