ブログ「社長のつぶやき」

2025.01.08 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]

野菜 高すぎるのもまた心配

明けましておめでとうございます。今年の干支は「乙巳」(きのと・み)、平たく言えば蛇年です。正直私もヘビは苦手ですが、「脱皮を繰り返しながら力強く前進するたくましい生物」と解釈し、今年もこの姿勢を貫きたいと念願しています。本年もどうか宜しくお願いします。

それにしても野菜の価格が高いですね。今まで私の立場としては、コロナ禍以降の生産資材価格上昇に比して、野菜の販売価格が上がらない農家の苦境を訴えてきたわけですが、現在キャベツの市場取引価格が、262円/kg 平年比332%(日農INDEX 2025.1月6日現在)ですから、小売価格は1玉500円前後となるでしょう。かつて1玉100円程度で売られていた時は、清涼飲料水より安いのかと憤慨を感じましたが、さすがに1玉500円以上では、生産者にも消費者にもマイナスに働くと危惧しています。一玉200円~300円、生産者の手取りは㎏100円なら双方折り合いがつくと思っていますが、市場は複雑ですね。

本年度の生育状況を振り返ると、猛暑とそれに続く高温・干ばつ・長雨で、9月から11月にかけての根張りが非常に悪かった上に、害虫の発生も非常に多く、例年の5分から6分作との声を聞きます。また契約栽培の生産者は、契約した数量を出荷できないのが何よりも歯がゆいとの声も聞きます。農家が高値を期待するのは事実ですが、それと同じ想いで、納得できる高品質生産物の豊作も願っています。

しかもこうした高値は一過性で長期の収入を保証するものではない上に、消費離れや輸入品の台頭を招くこともあり、長い目で見ればマイナス面も多々あります。お米の値段も一挙に上がりましたが、これも一過性の可能性もあり、高ければ高いで農家の心配は絶えません。

2025年は波乱の幕開けとなりましたが、短期の現象にとらわれることなく、農業の未来を見つめたいと念じています。