4月1日は恒例の入社式、おかげさまで今年も14名(女9:男5)の素晴らしい新卒新人を迎えることができました。新型コロナウイルス禍拡大の中、人数を制限し、多くの社員もスマホやPCで参加することができました。今年は多くの大学で卒業式が中止になり、近年恒例の「卒業旅行」もキャンセルせざるを得なかった学生が多いようです。なんとしても入社式は実施したいと思っていたので安堵しています。しかし更に気の毒なのは現在リクルート中(2021年度新卒)の学生たちです。会社説明会も合同説明会も中止・延期が相次ぎ右往左往している上に、この未曾有の「恐慌」です。採用予定を大幅に減らす企業が増えることは目に見えています。数年後に「貴重な経験ができ、良い成長の機会だった」と振り返ることができる学生の多からんことを祈るのみです。
今回の新型コロナウイルスによるパンデミックは、メルケル首相の言う通り「第2次世界大戦以来の大惨事」になることはほぼ確実、経済的にも1929年の世界大恐慌以来の「恐慌」となるでしょう。殆どの人類が生まれる前の出来事です。大嵐の後には素晴らしいお日様が出ると信じたいですし、実際人類は近いうちに克服すると信じます。ただ一つ言えるのは新型コロナウイルスが去った後の世界は、それ以前の世界に戻るわけではないだろうということです。幸せとはなにか、豊かさとはなにか、強さとはなにか、多くの人々の思考が変わり、結果として「欲しい物」(商品トレンド)が大きく変化するでしょう。中高年もテレワーク、TV会議が使えるようになり、5GやAIはさらに加速するでしょう。また子供の学習法も大きく変化するでしょう。東京の会議に行かなくても、学校に行かなくても、今まで通り、いや今まで以上に効率的な時間の使い方があると多くの人が実感するでしょう。平常時の国会予算に近い財政出動を各国が実施すれば、急激な信用膨張によるハイパーインフレ、あるいはスタグフレーションが起こる可能性が更に高くなります。貨幣のあり方あるいは貨幣そのものの形が変わる可能性があります。
ポストコロナウイルスのことも想像しながら、明日の経済、そして経営を見直す必要があります。おそらく経営も世代交代の大きな契機になるのではないかと思っています。
川西裕康