ブログ「社長のつぶやき」

2019.09.06 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]

「ひまわりの一生」

 仕事柄、花の名前や育て方、樹木の種類等を聞かれることがよくあります。しかし正直な所、植物音痴でさっぱりわかりません。「園芸の専門家のはずなのにわからないの?」、もう少しつらいのは「お殿様は、現場のことは分からないですよね」と言われることです。
営利目的の野菜園芸種苗のことなら何でもよく知っていると返答しても、先方はその境のことは理解できないでしょう。専門外の植物について詳しくない自分がアホなのです。

 そんな私でも自信も持って育てることができる植物がある。1つは球根類、中でもチューピップとユリは簡単です。秋深くなってから適当に土に埋めてやりさえすれば、必ず翌年の春から初夏にかけ、立派に咲いてくれます。もう一つはひまわりです。ひまわりは子供のころから慣れ親しんでいて、タネも大粒、5月に入って暖かくなってから蒔き、しばらくの間水さえ切らさなければ不思議なくらい育ってくれます。今年は自宅近くの最も往来の多い交差点の角に勝手に蒔かせていただきました。
開花前ひまわり 交差点街路樹ひまわり 交差点のひまわり
朝、犬の散歩をしながら、グングン育つひまわりを観察することは、ひそかな最上の楽しみです。伸び盛り中のひまわりが、台風や大雨でダメになることは滅多にありません。タフな植物です。やがて大輪の花芽をつけ、ある日見事に咲いてくれます。

ひまわりの一生  咲き終わったひまわりは下を向き、立派だった茎葉も黒ずんで腰の曲がった老人の姿になります。そして最後はお葬式です。吸水機能を失った根はやがて簡単に抜けるようになります。それまでは決して抜きません。まだ頑張って生きていると思うからです。そうしてひまわりの一生が終わります。

 人生は長いけれども、ひまわりの一生は1年です。まだ何年もひまわりを育て、その一生を見ることができると思うと、なんだかうれしい気持ちになりますし、まだまだ花が咲く前の人生だと自分を鼓舞することができます。ひまわりを育てながら哲学者気分を味わった今年の夏でした。

川西裕康