本年3月に日本政策金融公庫から発表された「施設園芸(トマト)の規模と収益性に関する調査」において、施設トマト栽培においての収益性は施設面積6,000㎡以上8,000㎡未満が最大になると報告された。それより規模が大きくなると収入は上がるものの、収益性は低下する。これは私が長年現場で感じていたイメージに近いように思う。いま日本はオランダに学んで大規模経営農業を志向している。オランダの四季は春から秋にかけても比較的穏やか、安定した収穫が期待できるので雇用労力を固定しやすい。一方日本は春から夏にかけて一気に温度が上がり、日射量も多く、収穫量も激増する。この時期に合わせて労働力を確保すると、年間ではどうしても過剰雇用となる。実のなったトマトはとにかく収穫しないと樹がばててしまうので、収穫作業は必須である。と言って省力化・無人化機械への設備投資は、一般論として割高で償却が大きな負担となる。6,000㎡から8,000㎡の経営体の多くは、家族経営+季節に応じたパート労力の投入でこの問題を対処している。忙しい時は寝る暇を惜しんで働く。しかも雇用労力が親戚や近所の知り合いの場合、働く側が農家の繁忙期を知っており、適切な時期のみ応援に来てくれるケースも多いと聞く。しかもこの規模なら熟達した農業経営者は全体状態の把握が可能であり、適切な管理によって高収穫と高品質を目指すことができる。
日本の施設園芸の将来に向けての考え方、方向性を考えるうえでとても参考になるレポートだと思いました。しいて言えば若手専業農家のもう一つの悩みは、決められた休日を確保したい(あるいは家族との休日を取りたい)ということもあると思う。これを解決するためには、自分の片腕となる常用雇用労働者を一人以上確保することが肝要になる。2~3日農園を離れても任せることのできる社員の存在です。当然そうした社員にはそれなりの給与で報いる必要がる。そうした雇用労力を投入しながら、経営と生活を安定させるには、8,000㎡~1h規模ぐらいが今後の日本における施設園芸農家の好ましい在り方ではないかなと私は感じます。超大規模な法人経営体が闊歩するのではなく、地域に根差し、地域を熟知した「家族経営」型農業が10年後も日本の中心であってほしいと思います。
弊社の決算は、4月末です。毎年5月に入ると会社スタッフ全員を集めて経営計画発表会を実施しています。(株)武蔵野の小山社長に20年近く前に指導を受け、第36期から今回の51期まで「経営計画書」の作成配布と「経営計画発表会」を本社のある豊橋駅前のホテルで行うことが慣例となっています。
しかも近年は5月2日と決まっています。よっぽど日柄がよくない限り、ゴールデンウイーク間のこの日は大きなイベントはないようなのです。
発表会後は、新入社員歓迎パーティーと続きます。
結構盛り上がります。
(毎年恒例の昨年入社先輩社員から花束贈呈)
私にとっても、最も気持ちを新たにする日であり、社員の皆さんが楽しそうにパーティーに参加しているのも見るのは、何よりもの喜びです。弊社ではこのような全体会議と懇親会というパターンは年3回行っています。この経営計画発表会、そして7月の上期勉強会(泊まり)と12月の下期勉強会(泊まり)です。年に3回はすごいねと言われることもありますが、もともと上期勉強会はかつて実施していた慰安旅行を変形させたものであり、12月の下期勉強会は、もともとあった全員参加の大忘年会に勉強会を加えただけなのです。今後も続けられるかどうかは未知数ですが、全員が集まる機会が3回あるということは、普段は会う機会がない社員同士が会えるという意味でも、また団結力という意味でも、費用対効果は十分見合っていると私は思っています。早く懇親会にならないかなと思っている社員が大半だとは思いますが、その前に社長の話を聞いてもらう機会があるのは、私の精神状態のためにも大変ありがたいことです。また近年は決して会社が強要したわけではないのですが、新入社員は宴席で集団パフォーマンスを行うのが慣例になっており、これもひそかな楽しみの一つです。
(新入社員たちによる集団パフォーマンス披露、盛り上がっていますね!)