ブログ「社長のつぶやき」

2017.03.06 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]

プロファーム開発に至る道 : “ オランダ視察 ”

 かつて私は日本の施設園芸におけるトマト栽培は、少なくとも単位面積当たりの収穫量は世界一だろうと勝手に思っていた(1990年代)。日本人は勤勉で精密、何よりも栽培面積が小さいのだから、大面積を大雑把(当時は勝手にそう思いこんでいた)に管理する欧米よりも収量性は良いに決まっていると思っていたのです。ところがある雑誌でオランダの大規模トマト栽培が紹介され、数字を見ると日本の3倍以上の単位当たり収量があると聞きました。私は半信半疑でしたが、1997年初めてオランダを訪問すると、それが事実であることに衝撃を受けました。オランダでは、国立の専門大学を中心として非常に論理的、合理的に栽培技術の向上が図られていたのです。この事実は会社として共有する必要があると感じましたので、その後5人前後の社員を連れて10年以上オランダ施設園芸視察を継続しました。

 2010年前後、日本においても施設の環境を統合的に制御することによって収量を飛躍的に向上させることの重要性が頻繁に論議されるようになりました。弊社においてもオランダ視察の経験から、そのことを理解する社員が多数いたことが大きな財産でした。そこへ(株)デンソーさんが、新事業開発の一つとして「農業支援」という理念を掲げられ、幸運にも当社の扉をたたいてくれました。そして双方の努力のもと、プロファームと言う商品コンセプトが生まれたのです。振り返ればオランダ視察にのべ50人前後の社員を派遣したことは企業としては大きなコストでしたが、今振り返っても無駄ではなかったと思っています。それどころが弊社のミッションにとって「核心」部分を形成するようになってきたと自負しています。