●創業
昭和43年11月 豊橋市松山校区の比較的近い位置に隣接する(有)川西種苗店・(株)チカダ種苗店・(株)ヤマニ種苗店と旧田原町駅前に位置する福井種苗店が、当時の各社規模に合わせて資本出資し、トヨハシ種苗株式会社が誕生した。合併の主な理由は同年の豊川用水開通による地域の農業情勢激変に対する受け皿として、また第1次農協合併による商売環境の激変が底流にあったと言われています。
会社名称については、東三河および一部湖西地方を販売エリアと想定、その中心である豊橋市を根拠地とすることから豊橋の行政名をカタカタに変更し、当時一般的な種苗業界の呼称であった種苗をつけ、トヨハシ種苗株式会社として発足した。ロゴデザインも豊橋市の徽章「千切マーク」を参照、その中間を切り、トヨハシ種苗を真ん中に配置した。千切は吉田藩大河内家に伝わる徽章であり、結団、団結を意味し、創立時の会社にとっては意味のあるロゴであった。
ロゴの変遷
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また新会社設立に際して、合併のメリットをお客様にも理解していただく目的で、農業栽培技術の革新と指導を担う施設として、研究農場(当時はサカエ農場)の創設を企画したことは、その後の会社の発展に大きく寄与した。ただ売るだけではなく、種蒔きから収穫までお客様へのサービス、情報提供が可能な会社という理念を社員が共有できたからである。
●拡大・発展
紆余曲折はあったもののトヨハシ種苗は昭和43年11月産声を上げた。激烈な販売競争を繰り広げた4社の合併は、全国にも全く例のない試みでした。多くの種苗業者からの注目の的であり、やがて瓦解するのではないかとの厳しい意見も多かった。しかし当初の見込み通り、豊川用水の開通により、施設園芸需要は旺盛となり、麦・芋しか作れなかった荒れた農地もキャベツ畑となり、お客様の旺盛な需要に支えられて、会社は順調に売上を伸ばすことができた。そして資本の蓄積とともに、販売エリアの拡大を指向して、西三河安城、静岡県浜岡、三重松阪に営業所を新設。やがて販売エリアは愛知県・静岡県・三重県・岐阜県の一部まで拡大した。
●当社の強み
弊社の強みは、何といっても商売の源流が「種苗」販売だと言うことです。
しかも試験農場を併設することにより、単なる種苗の販売から、優良種苗の独自判断、栽培指導、新しい生産方法の提案に至るまでお客様へのサービスが可能になったことである。それに加えて希望する栽培品目に合わせて、新設ハウスの設計・施工業務、オリジナル養液栽培システムの設計・施工業務も大きな柱に育ってきました。種蒔きから収穫まであらゆる局面でお客様に商品や情報の提供ができるという点が弊社の最大の強みです。しかも単品販売でなく、お客様が希望通りの収穫に至るまで色々な局面でお手伝いできるということは弊社理念の具現化そのものです。
●転機
日本農業の衰退が問題となる中、高度施設園芸に対するにニーズはますます高まっています。弊社は日本でも有数の施設園芸地帯の中にあり、お客様の知恵をお借りしながら現場発のオリジナル商品もいくつか開発してまいりました。また近年は(株)デンソーさんとの共同開発による複合環境制御装置「プロファーム」を開発、販売を開始しました。本商品についてはメーカーとしての一面を持つようになりました。プロファームおよび弊社オリジナル開発商品につきましては、従来の東海4県への販売枠を超え、全国の産地への販売を念頭に販促活動をスタートしたところです。
● トヨハシ種苗株式会社からトヨタネ株式会社へ
弊社は2018年創業50周年を迎えます。半世紀続けられたのは、お客様のおかげ、社員のおかげでありますが、視点を変えれば社会に必要とされていたからであります。創業の成功要因は、4人の創業者がそれぞれの持ち分を発揮して協力し合えたこと、マーケット需要が予想通り拡大したこと、そしてもう一つは直接的な利益を生まない研究農場を開設してお客様への情報提供(サービス)に力を入れたことです。「トヨハシ種苗株式会社」の名前は地域の農業者には広く知られるようになり、多くの人は「トヨタネ」と言い、また一部の地域では「シュビョウ」と言われるようになりました。
●トヨタネ株式会社へ
トヨハシ種苗という名称は、創立4社の名前を冠にできないことを前提に考案されました。豊橋をカタカナ読みにしたわけですから、当初から名前に色濃く地域性が刻まれていました。設立時は、東三河及び一部湖西、三ケ日地区を種苗販売商圏と想定していたので、その中心都市豊橋の名前を付けることに違和感はありませんでした。しかし設立後まもなく施設園芸の発展とともに、農業資材とりわけビニール等農業フィルムの需要が拡大、スケールメリットを求め、販売地区の拡大要望が大きくなってきました。 昭和50年安城営業所開設を始めとして、浜岡、松阪、静岡営業所を次々開設、一挙に販売エリアが愛知・静岡・三重と岐阜の一部に拡大しました。
一方弊社が年2回発行しているカタログ誌「タネと資材」においては、早くも昭和46年秋号より、ロゴマークの中心がトヨハシ種苗からトヨタネに変更されています。また営業所においても浜岡営業所以降は、看板表示もトヨタネに変更されています。弊社カタログ誌が創立3年後に早くもトヨタネに変更されていることを考慮すると、トヨタネという名称はすでに地域に浸透していたことが伺えます。その後浜岡、松阪と県外に営業所設立の際には、ローカル色を薄める目的とトヨタネの愛称で呼んでもらいたいという二つの目的が存在したことは明らかであります。
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●トヨタネ株式会社へのブランド統一
2018年会社創立50周年は半世紀です。農業の国内マーケットが縮小する中、会社が今まで以上に社会の役に立ち、お客様の支持率が上がり、結果としてより良い会社になるためには、「第2創業」の覚悟が肝要と思い至りました。社名変更は、歴史と伝統、そしてお客様から親しまれてきた「トヨタネ」を残しつつ、かつ過去に胡坐をかくことなく、原点に立ち返る目的で企画したものです。今後はトヨタネ株式会社の名称とロゴがお客様からの信頼の証と思われるよう、会社一丸となって努力を続ける所存です。今後は尚一層のご指導を宜しくお願い申し上げます。