ブログ「社長のつぶやき」

2024.10.08 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]

生鮮食料品の価値について

10月の声を聞き、長かった夏がようやく終わろうとしている。今年の夏は、前半は酷暑・干ばつ、お盆を過ぎても猛暑が続き、台風10号が来るぞと10日以上振り回され、新幹線も計画運休した。その是非は色々意見あるだろうが、結果として多大な損害を受けた業界も多いだろう。それでも10月の声を聞くと渥美半島一面にキャベツの苗が植えられ、そのほとんどが活着している。農業に縁のない方は「それって当たり前だよね」と思うだろうが、私はこれぞプロフェッショナルだと思う。いつ植えたのだろう、どれだけ苦労したのだろうかと想像する。

チャンスを見ながら、寝る間を惜しんで一気に苗を植えていく農家の目線で農業政策を語れる政治家がどれだけいるだろうか?

なぜこんな偉そうなことを言うかといえば、今年の秋は選挙の年、立憲民主党の党首選挙があり、自民党の総裁選挙があり、本日現在では石破内閣が成立し、10月27日が総選挙と決まった。また、今年は新農業基本法が成立した年でもある。しかし、私の印象では農業政策は、あまり主要な論点にならなかったし、メディアもあまり取り上げなかったような気がする。強いて言えば、ロシアの侵略戦争があり、イスラエルのガザ侵攻があり、台湾有事が叫ばれる中で「食料安全保障」の観点から発言する政治家は多かった。

しかし、キャベツの苗を必死に植えている農家にとって、「食料安全保障」は主要なテーマなのだろうか? 強いて言えば農業施策はたしかに難しいし、お米の不足と値上がりが現実となっている中で、下手なことを言えばさらなる価格高騰を招き、揚げ足を取られるかもしれない。私は、今のお米の価格が正常で、これくらいは払わないと日本の農家もやっていけないよねと大半の国民が納得するくらいでないと、日本農業の危機はさらに深まると感じています。

これはインフレではない「農業産出物の価値を再定義する時が来たのだ」と言える政治家がいると良いなと思う。