「なぜ日本では有機農業が増えないのか」これは素朴な疑問です。日本は四季豊かで「旬」を大切にする国です。また地球環境問題に関心の高い国民も多く、有機農業にも西欧諸国より理解がありそうな気がするのですが、現実は2020年基準でもヨーロッパは10%以上に対し、日本は0.3%程度にとどまっている。有機農業を志し、新規就農する人も多くが挫折、あるいは専業では生活が成り立たないのが現実のようだ。
そもそも何のために有機農業が奨励されるのか? 環境保全のためか、食の安心・安全のためか、国内資源の有効活用のためかなどいろいろあるが、そのすべてでしょう。ごく大雑把に言えば、有機農業を実践すれば、労力2倍、収量半分と言われる。差し引き現行農産物より4倍高く売れれば、ビジネスとして成り立つかもしれないが、現実は1.2倍程度、場合によっては「くずもの」として半値で取引される。
論点を変えますが、日本の治安は良いと思う外国人が多いのは、どうしてだろうと考えました。日本人は物を落としても拾った人が返してくれる、夜道を歩いていても突然強盗に襲われると怖がる人は少ない。これと同じように日本の農家が作った農産物は、敢えて違法な作り方はしてないだろう、まして毒など入っていないと信じられているからではないだろか?
国際的な認証制度取得の是非も問われるが、輸出を目指すのであれば認証を受けることは価値がある。買う人は作り手の正体がわからないので、認証がなければ危なくて買えない。つまり、作り手を信用しない前提で社会が成り立っている。ところが日本では、基本的に安全で、人々は信用できるという前提に立っているので、高価で形の悪い有機農産物を敢えて買う必要はないと思っている日本人が、大半なのではないかという仮説をたてました。
最近、日本人には「愛国心」がないと嘆く考え方の人もいますが、愛国心という難しい熟語を出さなくとも、自然に無意識に、日本が好きだと思っている日本人が多いだけではないかと思います。それを平和ボケという人もいますが、是非とも平和ボケで自然災害以外はリスクの少ない国で有り続けてほしいと私は思います。
話が飛躍し過ぎかもしれませんが、なぜ日本で有機農業が増えないかを考えるうちに、地球環境問題・戦争と平和・愛国心への考え方にまで発展してしまいました。
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