2020年(令和2年)が終わろうとしていますが、新型コロナウイルス(COVID19)によるパンデミックはまだまだ続きそうです。青山学院大が箱根駅伝を大会新記録で制した時、東京オリンピックの延期も春夏高校野球の中止も誰も予想しなかったでしょう。
大相撲1月場所でトランプ大統領が観戦する中、幕尻の「徳勝龍」が優勝し、安倍首相がバンカーでころんだ映像が世界に配信されたのが異変のシグナルだったのでしょうか?
3月には世界中で感染が爆発し、日本でも4月には緊急事態宣言が発令され、一人当たりGDPも韓国に抜かれそうとの報道もありましたが、その後なぜか株価は上昇した。
2020年という年はこれから50年後、100年後歴史の中でどう評価されるのか、全くわかりません。「未来が早くやってきた」という識者もいますが、コロナ禍が収束しても、コロナ以前の経済社会に戻るとは思えません。100%以上の復活を遂げる、あるいは変革の波に乗れる業種もあるでしょうが、70%未満のままで推移しそうな業種もあるでしょう。
また若い世代の心の変容はいかなるものか、私にはほとんどわかりません。
日本農業の未来に対するコロナ禍のインパクトもいまだ未知数です。短期的には需要が激減し、価格が暴落した品目も多い中、農業者一人ひとりがどう現実を捉え、どう未来に向かって対処すべきか、専業で頑張ろうとしている人ほど悩みは深いでしょう。いや現時点でも先は見えていません。短期的には食糧危機どころか、生産過剰による暴落のほうが現実的です。
AI革命やICTの進展・仮想現実が加速度をつけて進展する中、今回のパンデミックが人類の未来にとって「神の手」であることを信じたいと思います。1986年ワールドカップサッカーにおけるマラドーナの「神の手」は、正しかったのかどうか、そもそも正しいか否かの議論の対象になるのかどうかさえ不明です。2020年のパンデミックが人類の未来に前向きな光を与えたといつか思われるようなら、それは正しい「神の手」だったと言えるでしょう。
もっぱら農業をビジネスの対象とさせていただいている弊社においても厳しい現実がありますが、未来産業としての農業に役立てるようこれからも努力したいと念じています。
2021年もどうかよろしくお願い申し上げます。
川西裕康