本年1月以来の新型コロナウイルス禍による甚大な影響はまだ収まっていません。
特に法人組織における行動規制が緩まない現状では、業種によって壊滅的被害が継続、かつ終わりの見えないことが大きなダメージとなっています。「Post Corona」は当面ないでしょうから「With Corona」のあり方の合意が急務となっています。
昨年までの私にとってTV会議、テレワークなどは敢えて言えば論外と思っていました。アナログ大好き昭和世代頑固親父を自負と言うと格好つけすぎですが、要は人との接触にデジタルは面倒くさい、あり得ないと思っていました。もちろん会社組織人としてITの推進は絶対必要と考えていますが、個人の領域では私のITはここまでと勝手に決めていた節があります。そんな個人の勝手な価値観に平手打ち(業種に依っては致命的なアッパーカット)を食わしたのがこの新型コロナウイルスです。
2018年に日本でも経産省がDX(デジタルトランスフォーメーション)を定義し、厚労省を始めとして国を挙げて働き方改革を推進する中で発生した新型コロナウイルス禍は、神様の予定表に載っていたのでないかとさえ思います。新世代通信規格5Gは通信の遅延をほぼなくし、AI、特に画像認識AI技術の進展との連携は遠隔操作・自動運転等驚くべき産業革命を予感させます。
ソーシャルディスタンスという言葉には抵抗感がありますが、まさにそれを可能にする技術が新型コロナウイルス禍によって加速されそうです。そういう私もZOOM等での会議にも慣れ、これからも2回に1回は遠隔会議で十分だと思うようになりました。
新幹線にとっては大打撃でしょう。コロナ前に戻る業種もあるでしょうが、全く戻らない業種もありそうですし、戻ったとしても60~70%位の戻り率しか期待できない産業も多く出るでしょう。また「小さすぎる中小企業の数が多すぎることが日本の一人あたりGDP増加の最大の阻害要因」というデービッド・アトキンソン氏(小西美術工藝社社長 元大手証券会社アナリスト)の主張は残念ながら?当たっていると思われます。
後継者不在問題も絡みながら中小企業の再編は容赦なく進む予感がします。
どれもこれも新型コロナウイルス禍によって「未来が予定していたよりも早くやってきた」結果のように感じられます。
川西裕康