はや師走、今年も残すところ1ヶ月を切りました。弊社では3年ぶりに下期勉強会・同忘年会を12月10日浜松のホテルで開催します。9月に最終決定したのですが、その後のコロナ禍の状況は最悪、第8波のピークと重なってしまいました。それでも従来の3倍近い面積を確保し、感染防止に出来得る限り配慮、90%以上の社員が出席予定です(さすがに忘年会は半分)。会社の経営環境も厳しいですが、期の途中で現況を確認し、方針・方向を示し、組織のベクトルを合わせ、団結を図ることは大切だと思っているからです。今年実施しないと昭和のノスタルジア文化と言われ、時代に合わないとの声も広がるのではないかと思ってもいます。
それにしても今年はひどい年でした。毎回暗い話ばかりで、なんとか明るい話をしたいのですが、飛び込んでくるのは悪い話ばかり・・・。長引くコロナ禍で物価高がじわじわと進行する中、火に油を注ぐようにロシアのウクライナ軍事侵略が始まり、エネルギー価格・肥料価格が猛烈な値上がりと品不足に陥っています。当面はEUを中心としてエネルギー不足が話題となっていますが、来年に向けての最大の懸念は食糧不足だと思います。エネルギー資源は世界に幅広く分布していますが、肥料資源は偏在が著しい。特にリンやカリに至っては主な産出国はロシア・ベラルーシ・中国・カナダです。 先進国は高騰する肥料もなんとか入手し、作付けは可能でしょう。しかし発展途上国では、肥料自体が高すぎて買えない事態が多発する可能性がある。肥料がなければ、間違いなく収量も激減します。その上地球温暖化による旱魃や洪水、さらに中東やアフリカでの内戦(武力紛争)が激化したとするならば、世界の飢餓人口は大幅に増える。しかもそれは幼い子供やその母親が顕著になる。決して夢物語ではない可能性があります。2023年の冬以降の食料事情に注目です。
日本においても「食料安全保障戦略」概念のもと、肥料や飼料もできる限り自給することが望ましいとされていますが、そう簡単なことではありません。弊社にも全く答えはありませんが、国が掲げる「緑の食料システム戦略」に添いながら、現場の農家にとってもメリットが有る農業のあり方、そして商品を模索しなければなりません。
これから数十年答えが見えない茨の道を歩みながら、頑張る農家に寄り添っていけたらと強く感じています。