ブログ「社長のつぶやき」

2024.08.02 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]

猛暑、頑張る農家にエール

今年は、例年にも増して猛暑が続く。弊社では7月下旬から8月下旬までが、野菜苗生産のトップシーズンで、専業農家からの播種作業の委託や施設野菜苗の受注が毎年増えている。ビジネスとしては、需要が増えるのだからありがたいが、温暖化の影響もあり、毎年過酷な仕事となっている。もはや当たり前になってきたが、生産施設内の仕事は正直過酷で社員の健康が心配です。しかし、過酷な中でも苗の品質を落とすことはできない。農家も必死だから苗の品質低下の原因を天候異変と説明しても許して貰えそうにない。

また、農家も本当に大変だ。この猛暑の中、施設園芸では定植準備、露地栽培では播種・育苗作業があり、連日35度を超える天候のもとでは、購入していただいた種子の発芽率の低下も懸念される。とにかく8月が終わるまで心配事は尽きない。

国は盛んにスマート農業を推進する。スマート農業とは「ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して、省力化、精密化や高品質生産を実現する等を推進している新たな農業」と定義されている。しかし、園芸農業の現場、少なくとも施設栽培でも露地栽培でも定植が終了し、活着が確認されるまでの間に、スマート農業を実感できるような場面はほとんどない。稲作ではかなり自動化が進んでいるが、野菜作では相当大規模な畑がなければ、全自動型の定植機もドローンの活用もまだまだ難しそうだ。

自動化の利便性は誰しも理解するが、かかるコストに見合う労働生産性の向上に多くの農家は疑問を持っている。ましてこの数年の収益性は特に厳しい。国は大規模化を進めて、単位あたりの設備投資コストを下げることによって、収益性を高めようとする狙いなのだろうが、猛暑の中、労働集約を進めて生き残ろうとする中小農家こそ、日本の園芸農業を支えている。

20年後には基幹的農業者数は、現在の三分の一以下になると言われている。野菜の需要量も1970年代から見れば30%以上縮小している。頑張る農家が儲かるようになるならば、三分の一でもいいのではないと密かに個人的には思っています。会社は会社でマーケット縮小の中で生きる道を考えれば良い。

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