『麗旬』は前述のとおり、超硬玉で樹熟に向きます。又、春の軟化玉の発生が少ないので、抑制の長期どりや促成栽培に向く品種です。
節間が長いので、軒高の高いハウスでの長段どりにお勧めです。
草勢は既存の『りんか409』より若干大人しい様子ですが、長段どりのスタミナもありそうです。
草姿は葉が、垂れ下がり、樹に巻きつくような形になります。
葉が果実を隠してしまいますので、低温、寡日照下では葉かきによる玉出しが必要です。
特に秋口より、本来は全体に着色し、色周りが良い品種ですが、葉で果実が覆われていると日が当たりやすいヘタ部から着色し、収穫作業時の着色の確認に手間がかかります。
黄化葉巻病の耐病性品種の全般に言えることですが、罹病性の品種と比較して熟すまでの積算温度が高く、言うなれば晩生となります。
玉出しも重要ですが、積算温度が高い関係で収穫までの時間が長く、6段開花前後で大きく樹に負担がかかり、草勢が落ちやすくなります。
『麗旬』は低段から玉伸びが良い品種の為、より着果負担は大きくなりますので、草勢の維持が特に重要です。
草勢が弱ると、落果や、苦土欠等の生理障害の発生も見られます。
『ペンタキープHYPER』等で葉面散布や、定期的な追肥、摘花等での草勢維持が必要です。
他の注意点としては、『麗旬』は水分要求量の多い品種です。
潅水が不足すると、角ばった果実や、先が尖ったもの、尻腐れ果の発生が懸念されます。
低段から早めに潅水を始め、潅水量を多めの管理でお願いいたします。
黄化葉巻病にお困りの、養液栽培の方や軒の高いハウスをお持ちの方で、長段どりされる生産者の方には、葉先枯れの発生が少なく、着果が良く、病気に強い栽培しやすい品種と思われます。
田原営業所
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