ブログ「クロロフィル通信」

2024.12.09 [ クロロフィル通信 | ナーセリーだより ]

スイカ、メロンなどウリ科野菜苗の生産に向けて

暖かった?暑かった?秋も終わり、朝晩の冷え込みが一段と厳しくなり、本格的な冬の訪れを感じます。

弊社ナーセリーでは、冬春シーズンのウリ類(スイカ、メロン、キュウリなど)接木苗の本格的な生産に向けて、準備を進めております。今回は、ウリ科野菜苗の接木について、活着のメカニズムを解説していきたいと思います。

ウリ類の接木は、ナスやトマトの接木と使用する道具や方法が異なります。基本的にプラスチック製のチューブを使用せずに、穂木を台木に挿し込む「挿し接ぎ」と呼ばれる方法で接合します。

「挿し接ぎ」したウリ類の接木

接木をした後、穂木と台木が接合した部分に褐色の糊(のり)状物質が発生してきます。これを「カルス」といいます。この「カルス」が仮導管細胞に分化し、仮の通導組織としてつながっていきます。仮導管は養水分を台木から穂木に送る仮パイプの役目をします。

順調に活着すれば、この仮導管が台木から穂木へ網目状に密に繋がります。接木から5日目頃には細胞の隔壁が消失し、パイプ状の導管になります。穂木、台木それぞれの導管が網目状に完全につながって初めて接木が完成します。

育苗中のウリ類の接木

接合部が活着するまで、およそ7日間。穂木と台木の間で養水分を十分にやり取りできない間は、温度、湿度を一定に保ったトンネルや養生室で管理をしていきます。この間の温度、湿度などの管理の仕方、手のかけ方が苗の仕上がりを決めます。更には本圃でのパフォーマンスを左右する重要なポイントとなります。

今回ご説明させていただいた、接木に関する管理だけでなく、播種から一次育苗、二次育苗における苗の状態においても、緊張感と責任を持って、1本1本丁寧に、お客様に満足していただける苗作りに努めてまいります。


2024.11.28 [ クロロフィル通信 | ナーセリーだより ]

磐田ナーセリーの近況・取り組みについて

こんにちは、磐田ナーセリーです。

今年も夏の繁忙期が終わり、ナーセリーの作業量も落ち着いてきました。
この時期の磐田ナーセリーでは、1.繁忙期の反省会、2.冬支度、3.苗の試作の3点に力を入れて取り組んでいます。

1. 繁忙期の反省会
繁忙期の反省会は、今夏の育苗で上手くいかなかったことを振り返り、来季に向けた改善点を課員全員で議論する場になります。
夏場の暑さは、年々エスカレートしてきており、生産者様の圃場と同様、ナーセリーでも育苗が難しい環境になってしまっていますが、お客様に少しでも良い苗をご提供できるよう、全員で知恵を出しながら育苗に取り組んでいます。
また、逆に「このような管理をしたら上手くいった」という点もしっかり記録し、高品質の苗を安定して生産し続けることを目指しています。

2. 冬支度
冬支度は、ハウス内の暖房機のダクト取り付けや、加温用のトンネル組み立て、各機材のメンテナンスなど、やるべきことがたくさんあります。社員とパートさんが一丸となり、準備遅れのないよう計画的に進めています。
また、目前に控える冬春の繁忙期で使用する育苗ポットなどの資材を、あらかじめ準備し、ストックしておくことにも取り組んでいます。繁忙期の業務をスムーズに進めるためには、今のうちに事前準備を進めておくことが、非常に重要です。

【ポットのストックの様子】
ポットのストックの様子
 
(繁忙期に使用する分をあらかじめ作製し保管しています)

3. 苗の試作
苗の新しい品目や規格を検討し、品質の向上や新商品の開発を目的とする苗の試作にも力を入れています。各課員が、自身でテーマや試験区を設定し、どうしたらいい苗が作れるかなど、日々試行錯誤を続けています。自分の試作を通して新たな商品が生まれるかもしれないため、ワクワクしながら取り組んでいます!

【磐田ナーセリーで試作中のイチゴ苗】
磐田ナーセリーで試作中のイチゴ苗

【磐田ナーセリーで試作中のタマネギ苗】
磐田ナーセリーで試作中のタマネギ苗  

気温も段々と下がり、冬の訪れを日々実感する今日この頃ですが、寒さに負けず元気に磐田ナーセリースタッフ一同、今後も頑張っていきます!

今年も冬春苗のご注文、心よりお待ちしております。

2024.10.31 [ クロロフィル通信 | ナーセリーだより ]

豊橋ナーセリーの近況と新入社員のご紹介!

こんにちは、豊橋ナーセリーです。

最近の豊橋は気温が下がってきて、だんだんと冬の足音を感じる季節になってきました。この時期の豊橋ナーセリーは、夏の繁忙期が過ぎ、夏苗の反省や、冬春苗に向けた準備が進んでいます。

繁忙期には、4月に新入社員1名を加えた社員10名と、70名ほどのパートさんが一丸となって野菜苗を生産してきました。しかし、現在は閑散期を迎え、苗の生産作業にゆとりも出てきたため、苗の生産業務の他に苗の品質向上に向けた試験的な取り組みも行っております。

突然ですが、ここで4月に入社した新入社員である私の自己紹介をさせていただきます!

出身:愛知県
趣味:キャンプなどのアウトドア、水泳
トヨタネ株式会社に入社した理由:幼い頃から自然や農業に触れる機会が多く、そういった仕事に就きたいと考えていました。大学では農学を専攻しており、講義の1つである農場実習で、様々な種類の種や苗を扱ったことで種苗業界にも興味が湧き、苗生産の分野から農家さんを縁の下の力持ちのように支えたいと思い、入社を決めました。

入社して半年が経ちましたが、まだまだ覚えることが多く、周りの方に支えてもらいながら、日々業務に取り組んでいます。

写真は暖房機の稼働に向け、先輩の指導を受けながら燃焼部の掃除をしている様子です。お客様と同様に、ナーセリーでもこのような冬支度を行っています。

暖房機の燃焼部を掃除をしている様子

写真は、苗の品質比較試験の様子です。

苗の品質比較試験の様子

生育条件を変えることで苗の状態がどう変わるのかなど、課員それぞれがテーマを決めて取り組んでいます。
このように豊橋ナーセリーでは磐田ナーセリー共々、お客様により良い苗をお届けできるよう、苗の品質向上に向け日々取り組んでおります。

新入社員の私も少しでも早く会社、そして皆様のお役に立てるよう精進して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2024.05.20 [ クロロフィル通信 | ナーセリーだより ]

磐田ナーセリーの現在の様子、配属社員の紹介

こんにちは磐田ナーセリーです。

磐田ナーセリーの現在の様子をお知らせします。

磐田ナーセリーは、4月に家庭菜園苗やナスの苗などの出荷のピークを迎え、慌ただしい日々でしたが、5月は空いているベンチもあり、出荷がひと段落つきました。

現在は、環境整備に力をいれ、そのひとつとしてハウス内外にある雑草を取り、害虫の発生を抑制しています。スタッフ一同、お客様に喜ばれる苗を目指し、日々精進しています。


☆磐田ナーセリー入社4年目スタッフ「Hさん」の自己紹介

私は、今年の4月の人事異動で、磐田ナーセリーに配属になりました。配属から1ヵ月が経ち、育苗の難しさを感じました。

毎日環境が変わる中で潅水量を調整したり、生育の違いがあるところを確認し、苗移動を行うなど日々学ぶことばかりです。最初は小さかった苗が、大きく成長し出荷される際は、とてもやりがいを感じています。

これから気温が上がりハウス内も暑くなるため、今までの管理を見直し、お客様の元へ良質な苗をお届けできるよう尽力していきます。

1日1日を大切にして、営業所の皆さんと協力しながらこれからも頑張っていきます。

 現在育苗中のトマトのポット苗

写真は現在育苗中のトマトのポット苗です。
スタッフ一同、夏のご注文もお待ちしております。

2023.11.30 [ クロロフィル通信 | ナーセリーだより ]

夏を越えて冬支度

こんにちは、磐田ナーセリー課です。
最近は、最低気温が10℃を下回る日が多くなり、冬の訪れを感じます。

夏苗を終えた磐田ナーセリー課では、現在、ハウス内の冬支度が進んでいます。

【育苗棚の保温用トンネルフィルム準備】
 育苗棚の保温用トンネルフィルム準備

冬に使う資材の準備や、ダクトの設置、自動潅水装置やヒートポンプなど各種機械のメンテナンス、ハウスフィルムの交換や補修、ハウス全体の環境整備など…これ以外にもやるべき事が多くあります。

【暖房用ポリダクトの設置】
 暖房用ポリダクトの設置

さらに、同時進行で苗の改善試験や、新規格の試験生産などに取り組んでおります。
ナーセリー課スタッフが一人一人課題を考え、解決に向けて各々の視点でアプローチしています。
磐田ナーセリー課では、豊橋ナーセリー課と共により良い苗をお客様にお届けできるよう、より一層邁進していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

最後に私事ですが、先日姪っ子が誕生しました。
ついついネットでウサギのぬいぐるみを買ってしまうほど可愛いです。
これから元気に成長していく姿がとても楽しみです。

2023.11.14 [ クロロフィル通信 | ナーセリーだより ]

理想の苗姿を求め、日々精進

こんにちは。
豊橋ナーセリーです。
最近の豊橋は、気温も下がってきてハウスの中でも過ごしやすくなりました。その分、夜間は気温が下がってきているため、豊橋ナーセリーでは暖房機も数週間前から使用しています。

夏の繁忙期が過ぎ、少し作業にゆとりが出来てきました。そのため、苗の質を向上させるため、管理方法の改善も行っております。
お客様のところに直接伺いお話をさせていただく機会もあり、お客様から多くのことを勉強させていただきました。お客様の求めている理想の苗姿は、それぞれで違ったのですが、どの方も共通して「しっかりとした根張りが良い苗」とおっしゃっていました。

お客様の求めている苗姿に近づけるように日々精進していきたいと思います。

当社のインターンシップについて少しご紹介します。当社ではインターシップの現場体験で豊橋ナーセリーの体験が組まれており、多くの学生さんに参加して頂いています。主に接ぎ木と鉢上げの作業を体験して頂いています。少し前には、リーフレタスを実際に鉢上げしてもらいました。

【リーフレタス】
 リーフレタス

グリーンのものとレッドのものを上げてもらったため、赤と緑の色合いがとても綺麗です。

これからはウリ科の苗生産が主になってきますので、冬に向けてハウス内の設備の準備や接ぎ木の練習を行っています。

【きゅうり】
 きゅうり

豊橋ナーセリーでは、苗一つひとつを大切に扱い、より良い苗をお客様にお届けしていきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

2023.05.25 [ クロロフィル通信 | ナーセリーだより ]

春苗シーズン ネギチェーンポット苗のご紹介

こんにちは。磐田ナーセリーです。

今期から、人事異動により磐田ナーセリーは、新しく1名を迎えて計7名でスタートとなりました。
磐田ナーセリーのある磐田市は、暑い日が多く、ハウス内も高温となっていますが、課員はもちろんのこと、働いてくださっているパートさん達も暑さに負けずに作業に取り組んでいます。

現在、苗としてはキュウリやメロンなどのウリ系や、トマトやナス、ピーマンなどもあり、多様な種類の苗があります。

そのなかでも、この時期特に多いのが、ネギのチェーンポット苗です。

【ハウス内のネギ育苗状況】
 ハウス内のネギ育苗状況

【刈る前のネギ】
 刈る前のネギ

【刈った後のネギ】
 刈った後のネギ

刈る前は、写真のようにかなりフサフサしていますが、刈った後はかなりスッキリした見た目です。トリミングした犬と似たようなビフォー・アフターですね。

ネギを育苗する上で、ネギ刈りはとても重要な作業で、葉先を刈ってネギにストレスを掛けることにより、ガッシリした良い苗になります。

【ネギの剪葉機】
 ネギの剪葉機

これからは夏苗が増えてきて、また忙しい日々が始まると思いますが、課員一同、良い苗づくりが出来るよう頑張っていきます。

2023.05.16 [ クロロフィル通信 | ナーセリーだより ]

生産部・豊橋ナーセリー課のスタッフ近況の紹介

こんにちは。生産部・豊橋ナーセリー課です。
本年もたくさんの苗をご注文いただき、誠にありがとうございました!

私の勤務する豊橋ナーセリー課は、今までは種苗部に属していましたが、4月の新組織体制で新たに設けられた「生産部」の所属となりました。磐田ナーセリー課も同様です。

本年度新たな部門でスタートする豊橋ナーセリー課は、今春・新入社員1名を加え、正社員8名となりました。夏シーズンに向けて、昨夏・春シーズンの見直しを行い、メンバー全員で一丸となって「良い苗」を生産し、皆様のもとへお届けすることに努めて参ります。

私は、異動で豊橋ナーセリー課2年目となり、この1年間は新たな発見と学びの連続でした。生産目線での苦労や品種の特徴、苗規格ごとの注意点など、生産サイドに関わらなければ分からないことも多く、毎日が疑問と質問の日々でした! 1年経った今でも、まだまだ学ぶことばかりの日々です。

2年目となる今年は、今まで学んできた経験を活かし、ナーセリーのメンバーだけでなく、営業部の種苗担当の方とも連携して「効率的に」、「良い苗を」、「安定して」お届けできる生産現場となるよう努めて参ります。

現在は、皆様から頂いた夏苗の受注票の入力を全速力でおこなっています! たくさんのご注文をいただき、嬉しい悲鳴を上げております。

そんな日々ですが、アフターファイブは趣味で心身のリフレッシュをしています。最近は、仕事終わりや休日に近所を散歩・ランニングすることです。満開の桜やツツジを見かけたり、小さな公園でぼーっとしてみたり、美味しそうなパン屋さんに寄り道したり……、もっともっと豊橋を好きになりたいと思います♪

今後ともよろしくお願いいたします!

2023.03.16 [ クロロフィル通信 | ナーセリーだより ]

植物は正直

こんにちは。
磐田ナーセリーです。

3月に入って日差しがだいぶ暖かく感じるようになってきました。
最近の磐田ナーセリーでは、春苗の出荷が増え、暖かい日差しもあり、いい汗を流させていただいています。パートの皆さんからも「痩せた?」とうれしい質問もされます。

さて、ハウス内の様子ですが、先ほど話した通り日差しが暖かく、日中は暑いと感じる時もあるほどです。温度や湿度に関しては、我々人間以上に植物は敏感で、すぐに生育の過程でその症状が表れます。日中暖かく感じていても、日が落ちると急激に温度が下がるこの頃の季節、ハウス内の温度管理は非常に難しく思います。

そんな難しい管理の手助けをしてくれるのがプロファームコントローラー(統合環境制御装置)です。ハウス内外の環境をリアルタイムに計測し、制御プログラムがハウス設備・空調設備を自動でコントロールしてくれます。

【磐田ナーセリーのプロファームの設定モニター】

プロファームの設定モニター

プロファームコントローラーのHP商品情報ページはこちら

しかし、プロファームコントローラーにばかり頼るのではなく、最終的にはその日の気候や苗の状態に合わせて管理をして、より良い苗を作ることが私たちであることを忘れてはいけないと思います。
「植物は正直」、この言葉は上司のK課長が教えてくれた言葉です。苗生産に携わる私たちは、日々の植物の表情に気づき、管理していくことが求められていると感じる今日この頃です。
最後に季節の変わり目で体調を崩しやすい時期ですが、まずは皆で元気に働いていきます!

ご紹介した、プロファームコントローラーについてのお問い合わせは、お近くの営業所、または弊社ホームページからお願いいたします。

2023.02.21 [ クロロフィル通信 | ナーセリーだより ]

小玉スイカ「ピノ・ガール®」のご紹介

こんにちは。
種苗部 豊橋ナーセリー課です。

たくさんの冬春苗のご注文ありがとうございます。
現在、繁忙期に入り、フル稼働で生産しております。

 豊橋ナーセリー

今回は、スイカ苗で2020年に本格生産し徐々に増えているちょっと変わった品種を紹介致します。小玉スイカの「ピノ・ガール®」です。
ピノ・ガール®

【特徴】
・タネが通常のスイカの約1/4サイズで食感が良い。
・シャリ感に富んだ硬い果実で、タネ周りの劣化が遅い。
・草勢が強く、一番果を全ての子ヅルにつけられる。
・草勢過多となりやすいので台木選定や着果数に注意。
と言った特徴があります。
 
一番の特徴が、タネが極小で嫌な異物感や苦みが少なく、タネを気にせずにそのままガブッと食べられる事だと思います。
ちなみに私は通常スイカでもタネを取らずに食べています。(面倒&気にならないので)
是非、今年の夏に「ピノ・ガール®」を食べてみてください。そして苗のご注文をお待ちしております。

PDFはこちら
ピノガール_チラシ