弊社の本社がある東三河地域でのキャベツ産地では、初夏どりキャベツの出荷が始まっています。
今年の秋冬作のキャベツは特に春系キャベツが暖冬の影響の生育の前進化により価格が低迷し、生産者の皆様方におかれましては御苦労の絶えない作となってしまいました。
価格的には振るわなかった秋冬キャベツですが、生産者様に試験栽培の中でご好評いただけた品種をご紹介いたします。
まだ商品化はできておらず、番号の品種ですが『TS-C311』キャベツです。
この品種は4月の秋冬どりで一番遅い収穫に向く、寒玉系品種です。
最大の特長は、4月どりの寒玉品種で問題となる、圃場残置性に優れる点です。
又、草勢が中庸なので、他の品種と比べて、4月にL玉で収穫できる可能性が高く、ご試作頂いた生産者の方から、価格の良い時期にL玉で収穫することが出来たと喜んでいただけました。
生育は晩生で残置性に優れるので、あの徳川家康のような『大器晩成』と呼ぶにふさわしい?品種かもしれません。
従来の品種では、厳寒期にかけて生育を抑えるために、肥料を切らす、『締め作り』をされるのですが、この『TS-C311』は草勢が中庸で生育がジックリなので、締めづくりをする必要が無い様です。
逆に、肥料は生育後半まで切らさないようにするようにした方が良いと思われます。
上は今年の4月2日に撮影をしましたが、外葉の色が濃く、締めづくりをしなくても、既存品種と同等の在圃性を発揮している様子がご覧いただけると思います。
又、直根がしっかりと入りますので、耐倒伏性が有り、玉の転びが少ないので、玉の転びによる腐りも少ないのも良い点です。
もう一つの特長は、冷蔵貯蔵性に優れる点です。
既存品種が冷蔵による痛みが発生しているのに対して、TS-C311は冷蔵貯蔵適性が高いと言えると思います。
栽培の注意点としては
- 4月の遅い収穫を狙う品種ですが、遅まきはせず、東三河地域標準で8月20日~25日までに播種を終えてください。
- 草勢は大人し目ですので、特に結球体制に入るまでに外葉を作るようにして下さい。(外葉が出来ないと、結球葉が短くなり、葉が3枚合わせのような玉になります)
- 生育後半まで、締めづくりは行わず、肥料は効かせてください。
是非、4月収獲向けに大器晩成?品種の『TS-C311』キャベツをお試しください!
種苗課 スタッフより
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