ブログ「社長のつぶやき」

2019.02.14 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]

持続可能な農業について

 今年は暖冬、好天続きで冬野菜の値段が相対的に安い。弊社にとっての重要品目である施設トマトも安値が続いている。近年の活発な設備投資による暴落懸念も一部ささやかれており、真相はよくわからない。いずれにしてもこの2~3年に大きな設備投資をした農家にとっては、正念場となっている。弊社としては生産性アップと省力化技術の推進による単位経費のコストダウンでお役にたてるよう努力を重ねるしかない。国の方向としては、農業基盤の弱体化による栽培面積減少を少数精鋭の大規模農家あるいは法人による高効率大規模園芸を推進する方向で進んできたことは間違いない。
 4ha規模の次世代施設園芸モデル事業を経て、現在は1ha規模の施設園芸モデルを模索している。この方向性は、将来の日本農業にとって唯一「持続可能」な方針なのかどうかという疑問も一方で増えてきたように思う。今年5月から国連の「家族農業の10年」が始まります。
家族農業
日本はその共同提案国になっている。現在においても先進国における農業経営体に占める家族農業の割合は概ね95%あります。家族経営にも弱点や克服が困難な点が多いことはお客様からよく聞いていますが、少なくとも経済的な逆境には一番強いだろうと感じます。また私の周辺でも、定年帰農を実現させて、生き生きと暮らしている方も多く見える。そういう人は大規模経営を望んでいないが、高品質な生産物を作ろうと熱心な方が多い。またもっと若い層においても「半農半X」というライフスタイル、生き方がじわじわと支持を拡大しているようにも感じます。日本農業の将来を鑑みるとき、やはりその「多様性」を大切にすることが肝要だと最近強く感じます。大規模かつ企業的農業を指向する方向も大事にしながら、多様な農業で将来の日本農業を下支えすることもとても大事だと思います。それは生き方そのものでもあり、21世紀の新たな思想や哲学を形成する流れにもなっていくのではないかと想像します。「多様性」に対する理解があるか、「持続可能性」の観点からどうなのか、この2点がキーワードだと思っています。
川西裕康

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