2021年9月 新型コロナウイルス禍収まらず、政局も混迷。忘れがちであるが、昨年10月開催された臨時国会冒頭の所信表明で菅義偉総理は「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言しました。本年度農林水産省は持続可能な食糧生産システムの確立と農業界におけるカーボンニュートラルを旗印とした「みどりの食料システム戦略」を発表しました。
身近な問題としても、今年の夏の異常気象(特に長雨)は、「地球温暖化」と関係があると想像せざるを得ない。 農家も、育苗や定植に大変苦労されているでしょう。野菜苗生産を業務とする弊社においても大きな影響がありました。またSDGsへの取組も必須案件です。特に若い世代は関心が高い。かつて学生からCSR活動について質問を受けたが、現在ではSDGsへの取組について答えられなければ、学生から見向きもされない時代となるでしょう。
私事ですが、私は1972年ローマクラブが発表した「成長の限界」を真剣に信じた一人です。石油は20世紀中に枯渇するかもしれないのに、車を乗り続ける人は「悪」と思い詰めた程です。しかしそうはならなかった上に、22歳からずっと自家用車を乗り続けています。何たることでしょう。1993年国連が発表した「持続可能な成長」(Sustainable Development)という言葉は座右の銘にしたいほどでしたが、ほとんど「枕詞」になりつつある。そして2050年脱炭素社会の実現と言われても、感受性が鈍くなった60代の自分にはさっぱり現実味がわかない。「みどりの食料戦略」に至っては、商売にも大きく関係しそうですが、具体的なロードマップが見えてこない。人間性が相当劣化しているのではないかと自問自答します。そもそも地球が危ないわけではなく、人類が危ないのであって、地球の平均気温が4度上がっても人類は滅亡するかもしれないが地球は生き残る。地球自体はそれを望んでいるのかもしれない。1億年後には新たな高等生物が1億年前の人類の自滅を教訓として小学校の授業に活用しているかもしれない。
ボヤキのように受け取られたら残念ですが、それでも次世代そしてまたまだ見ぬ世代の人類が快適に暮らせる地球を維持する責任は、現代の我々にある。現況 弊社を取り巻くビジネス環境は厳しく、またお客様である農家の経済環境も非常に厳しい。しかし地球環境問題への取組、そして持続可能で発展を続ける農業への取組は会社の生存理由そのものだと自覚しています。 「みどりの食料戦略」についても会社として取り組めそうな項目あれば少しでも確実に実を結ぶよう活動したいと思っています。 それにしても当面は新型コロナウイルス禍の終息を願う日々が続きそうです。
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