今年は、6月末にいきなり猛暑となり、梅雨明け宣言(どうも7月の長雨を受けて修正されるらしい)も異常に早かったので、特に夏が長く感じられた。それでも9月を迎え、やっと朝晩は涼しく、実りの秋が近いと実感できるこの頃です。農家も作付け体型の変更等は一部あったようですが、概ね作付けは完了したようだ。
私共の商売にとって、今年の夏の最大の心配はマーケットの縮小であった、少なくとも今年はほとんどの農家が秋冬の高収穫と高価格に期待している。今年の冬も美味しい野菜やお肉が食べられそうです。
しかし政府の動きを見るとインフレ抑制に躍起、特に食料品の値上げは国民の関心が高いだけに、目障りのようだ。しかし生鮮食料品価格を抑え込もうとする動きがあるとしたら、それは最悪の政治判断だと知るべきでしょう。むしろ原料価格の値上がりを考えれば、生鮮食料品の値上がりは日本の食料安保・自給率を維持するために必要なことと、もっと国民に訴えてほしいくらいだと私は考えます。
一方、世界を見渡すと食料事情は本当に深刻だと思う。アメリカ・中国・ヨーロッパ・アフリカはかつてない干ばつと高温の影響で相当な不作になるのではないか?また政治的混乱でアフガニスタンやスリランカ等では飢餓に直面している。
更に肥料価格の高騰はこれからの作付けに大きな影響を与えそうなので、来年も地球温暖化が進むようならば、来年の夏以降はさらに深刻な食糧不足に陥ると一人勝手に心配しています。ましてロシアによる戦争が継続、拡大しているようならば、来年の最大の兵器は「食料」になるだろう。また食料危機への不安はさらなる戦争を引き起こす最大の要因となりうる。
その点日本ではお米は増産できる余地が十分ある、洪水不安は高い国ですが、大旱魃にはなりにくい地理的特性があると思う。資源小国と言われるが、食料の継続的生産の安定性や、海に囲まれた地形を加えれば言うまでもなく食料大国となりうる。
それなのに農業や漁業の弱体化ばかりを目指しているように見える。政府の責任というよりも一人ひとりの豊かな生活や安全への概念を、見直すべき時期が来ているように思う。
まず間違いなく今年のお彼岸頃には例年通り「曼珠沙華」が咲く。誰も管理していなくとも。ミクロで見れば災害多発国日本だが、超マクロで見ればこんなありがたい自然環境のある国はそうないのではないかと思う。
コメント
この記事に対するコメントはまだありません。