ブログ「社長のつぶやき」

2023.01.05 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]

日本農業の進路は如何に?

謹賀新年 本年もどうか宜しくお願い申し上げます。

2023年はどんな年になるでしょう。干支は「癸卯(みずのと・う)、「寒気が緩み、萌芽を促す年」となるそうです。昨年1月は長引くコロナ禍の終息が一番の関心事、また願いだったと思います。

しかし2月24日ロシアによるウクライナ侵攻を受け、歴史の流れが断絶したようなショックを受けました。国家の安全保障に対する考え方に大きな亀裂が生じたように感じています。

難しい話は私の命題ではないですが、私共の主要な関心事である農業にも大きな打撃を与え続けています。肥料を始めとする生産資材価格の高騰(農家にとっては生産費の大幅なコスト上昇)に対して、販売価格の値決めができないことの辛さが身にしみた1年だったと思います。多くの国民は食料安全保障や自給率向上の重要性を強く意識しましたが、スーパーで買う生鮮食料品は値上がりしないでほしい、これが消費者の素直な心境だろうと思います。国レベルでは自国農業の重要性を説きながら、現場レベルでは過去に記憶が無いほど疲弊した1年だったと思います。農家には発言力がないのだろうか?厳しい現実です。農業者は遠心分離機にかけられ、縮小均衡が達成されるまでじっと我慢しろと言われているような被害妄想?に駆られます。

2023年は日本農業も良い方向に向かう年にしたいですね。希望は語れますが、具体論が見いだせないのも現実です。個人的には日本農業の強みに光を当て、さらに活かす方向に舵を切ったほうが良いのではないかと思っています。例えば、お米は余っているから、作物転換を促す、あるいは畑地化を促すというよりも日本の戦略商品として活かすことに集中したらどうか。日本の気候・風土に合わない作物を育成するために多額の補助金を使うより、余るお米を世界に売る、新たな需要を喚起することにお金をかけたほうが、長期的にはメリット大ではなかろうか。かつて「貧乏人は麦を食え」と言った首相がいるようですが、深刻な食糧危機が訪れた時、「お米を食べましょう、お米は豊富にありますよ」と言えるようにしたほうが良いのではないかと思います。同様に世界に品質を認められた日本の生鮮野菜や果物を徹底的にPRしたらどうだろうか? 強みを活かすことに集中したほうが、結果として食糧生産を担う農業者を活かし、農地を活かし、結果的に食料の安全保障にとっても最善の道ではないかと考えます。今年が日本農業の転機、新たな発展局面に向かうことを切に願っています。

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