4月は特別な月です。日本社会では「新年度」。多くの学生が社会人としての一歩を踏み出す。桜が咲き、若葉が芽吹く季節、これから始まる暑い夏を予感させる季節でもある。
弊社の決算は4月末であるが、組織変更と人事は4月が新年度。何よりも新卒社員を迎える特別な月である。
当り前と言われるかもしれませんが、大企業や上場企業と違い、学生に新卒で入ってもらえるかどうかは我々の規模の企業ではとても大切な課題、いわば試金石です。幸い弊社は50年以上の歴史があるので、リタイアする社員も毎年出る。もちろんそれ以外の理由で退社される社員もいるので、業容を維持・拡大できるのならば新卒採用が可能な企業ではある。しかしそれでも業種や風評によって新卒採用が厳しい会社や業界はいくらでもある。種苗業界、あるいは農材業界も2極分化、非常に高根の花である企業も少数あるが、多くは人財確保に非常に苦しんでいる。多くの会社では職務の分類が不明確で人に仕事がついてくる状態、別な言い方をすれば特定な人財を失えば、組織の存立基盤に穴が開くような状態なので、なかなか代替可能な人材確保はむつかしい。多くの経営者はその恐怖にさいなまれている。少なくとも会社組織の運営が「法治化」され、働き方が見える状態で、かつ会社の理念を共有してもらえるレベルまで学生に信頼されなければ、少子高齢化が進む中での新卒社員の獲得は今後ますます困難になる。経営サイド側から見ればそうした条件を満たす努力を惜しむわけにはいかないので、深刻なプレッシャーです。新卒採用の成否は企業発展の「必要条件」だとすら私は思っている。もちろん近年はそうした新卒採用絶対主義を日本特有な慣習と打破する流れもあるようですが、中小の経営者にとってはますます切実な問題となっている。
おかげさまで弊社は今年も7名の新卒社員を迎えることができた。昨年の新入社員は後輩を迎えることになるし、全社員も気持ちが新たになる。前向きな社員にとってはフレッシュな人員を迎えるということは、やりがいの向上にもつながるし、組織の未来に対して明るい気持ちになれる。昭和世代のたわごとと言われるかもしれないが、私にとっては組織運営の大切な要諦だと思っています。
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