2023年6月2日東三河特に豊橋・豊川・蒲郡を中心に集中豪雨被害に見舞われたお客様・また一般の皆様に深くお見舞い申し上げます。
かなり日時も経過したわけですが、台風被害とは違い、その全貌がなかなか見えてこない。大雨による作物の水没は、ほぼ全滅ですから、台風時のようにすぐ直してくれというニーズが少ないからだろうと思います。精魂込めて作った作物が台無しになるだけでなく、壊れた機械、侵入した泥水やガラクタを片付けるだけでも気の遠くなるような作業でしょう。保険の有無や国・県・市の支援体制が整うまでは動きが取れないというのも実情でしょう。
いずれにしても被災されたお客様の立場に立って誠心誠意お手伝いできればと思っています。
さて食料・農業・農村基本法の改定が大詰めを迎えています。
農業の憲法のようなものですから大変だとは思いますが、大筋は食料安全保障の観点が一番大きいようです。国内自給率を高め、やる気のある後継者を育てるためには、より大規模化、IT化(スマート農業)を図り、生産性を高める必要がある、そして農業輸出大国になることも大きな眼目のようです。
一方で持続可能でカーボンニュートラル、有機減農薬農業の推進も掲げられています。
双方は本当に両立できる概念なのか? 現場サイドから見れば化学肥料は使わない、農薬は使わない、そして価格は下げて国際競争力を高めるというわけですから、「今の3倍働けというのか!」との農業者からの声なき声が聞こえて来ます。
私は「多様性」(Divercity)概念をもっと中心に据えるべきと考えます。定年帰農農家あり、夫婦間や老人・子どもでの兼業あり、理想と夢に燃える新規就農者あり、中山間地に自給自足的生活を求めて都会からドロップアウトする人あり、自然栽培・有機栽培に徹底してこだわる人あり。そうしたスタイルの多様性こそが将来の日本農業を強くする、というか将来起こりうる環境リスクや国際紛争にも強い国を作ることだと思っています。
食糧安保を語る際には国防力強化とは違い、様々な個性・考え方を持った農業者が経済的にも生きていける制度の構築のほうが結果として強靭な国を作ることになると考えています。また消費者も農産物ができるまでの物語を見つめなおし、自らの健康維持も含めその価値について再考願えたらと思っています。
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