早いもので今年もはや師走、猛暑の夏から一気に冬に突入したような季節感覚ですね。農産物は、残暑と急激な冷え込みで、9・10・11月の市況は乱高下しました。
このような状況の中、農家サイドから見て面白くないのは、価格が暴騰した時だけ「野菜が高い」とニュースが取り上げることです。価格が高くなるのは、予期せぬ残暑の継続で収穫量が落ちているのであって、大半の農家は儲かっているわけではない。むしろ思うように収穫できない辛さは、金額の大小に関わらず農家にとっては大打撃です。安くなった時は「お買い得情報」が流れるが、農家が安値で途方にくれているとの話題は殆ど出ない。同様に食料安全保障の必要性や自給率低下が、国の大問題として取り上げられるが、肝心のそれを担う農業者の苦しい経営実態を論じる評論は少ない。
2020年は、予期せぬ「新型コロナウイルス」によるパンデミックスで始まり、ほぼ4年間、生活スタイルの変更を余儀なくされた。また、2022年にはロシアが隣国ウクライナに軍事侵攻した。この21世紀にこんな露骨な軍事攻撃があるのかと目を疑った。それ以来「話し合いで解決しよう」という思想は、机上の空論、平和ボケと言われた。この年になって自分の考えや生活スタイルの大幅な変更を迫られるような「現実」が次々に発生したのは、まさに「想定外」の出来事でした。
一方、「人新世」という皮肉を込めた?人類の時代という意味での地質学上の言葉も脚光を浴びた。農業という産業も競争原理に基づいた「経済活動」であることを忘れないでほしいが、農業というと急にロマンチックな議論をする人も多いように感じられる。将来の農業はどうあるべきかについて、改めて具体的に模索する時が来たようです。少なくとも大規模化による競争原理と弱肉強食による淘汰が、将来の農業を強くするという理屈はすでに破綻していると思う。2024年以降の農業についてもしっかりと見て行きたい。
2024年は、農業を担う人々にとって良い年になることを願う。また、農業を担う人々にとって少しでも役立つ会社でありたいと願っています。
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