ブログ「社長のつぶやき」

2024.06.04 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]

「秋冬作準備」今年の冬は、農家にとって良い年になって欲しい

6月は、秋冬作(夏に種を蒔いて、秋冬期に収穫する作型)の準備の季節です。夏作如何で年間の収益がほぼ決まる大事な作型です。

2020年のコロナ禍からはや4年目、肥料・重油・輸入飼料等の生産資材価格の高騰と市況価格の低迷で、農業現場はかつてない悲惨な状況が続きました。正直、離農を決断した農家も少なくありません。価格の高騰は少し落ち着いてきたようですが(高値のままということですが)、それでも今年も各種生産資材の値上げの話は聞く。売る側もマイナス、買う側もマイナスの負のスパイラル状況です。売れないから製造コストが上がり、売価を上げる。買う側は、売れないから高い資材は買わない、作らない。

先頃、農政の憲法とも言える「食料・農業・農村基本法」の改正案が参議院を通過した。「食料安保」を掲げているが、現場の心配は食料安保を担う前に、生産主体が壊滅してしまうのではないかということです。自給率の危機は、決して農家の老齢化でもなく、遊休農地の増加のせいでもない。ただシンプルに儲からない、食べていけないと感じている人が増えているからだと思う。

しかも、今年の夏は新たな難題が待ち受ける。ひとつは、予想される更なる異常高温から作物をどう守るかということ。もっと深刻なのは、国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」、「緑の食料システム戦略」と現場の農業とが、どう折り合わせるかという大問題だ。

一般に有機農業を実践すれば、生産量は2分の1以下、労力は2倍以上かかると言われる。4倍以上の価格で売れればよいが、現実は1.2倍、あるいは1.5倍位がせいぜいのようである。しかも、上記「食料安保」概念とはかけ離れて、現場の不安は生産過剰による暴落相場の到来である。こうした難題を前にしながらも、弊社は頑張る農家に寄り添っていきたいと思っています。

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