2016.09.30 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
皆様こんにちは。
久々の瓦版ですが、なかなか筆が進みません。会社では二村会長の突然の訃報がありました。これから進むべき会社の進路について、当日も役員会で意見を頂いていただけに、急に支えがなくなったような気分です。また私自身も生まれて初めて病院にお世話になりました(以上 筆が進まない言い訳)。 そうは言うものもこれから、社内向けにも、お客様にもこの瓦版を通じて少しでも発信していきたいと思っています。弊社のことをより理解いただき、そして一人一人がより身近に、お互いが信頼される関係を目指していきたいと願っています。
さて弊社は11月1日岐阜県羽島市に岐阜営業所を開設します。
東海3県と言えば、一般的には愛知・岐阜・三重を指しますが、当社にとっての3県は長らく愛知・静岡・三重でした。これまではやや強引に東海地区の農業に役立つ会社と申してきましたが、ようやく東海4県に拠点を持つ会社と言えるようになります。岐阜県は内陸県ではありますが、美濃地区は広大な濃尾平野に位置する一方、飛騨地区は3000m級の山を要する山岳地域です。一口に岐阜県の農業と言っても、全く作型体系の異なる複数の地区を有しています。人口やマーケット規模は愛知県と比べれば小さいですが、園芸農業の維持発展への意欲はとても強い県だと感じています。実際花卉・鉢物分野は非常に先進的で、トマト・イチゴ・葉物野菜等の取組も活発です。弊社が少しでも岐阜県農業の発展に役立つ会社となればと願っています。一方、岐阜県の観光資産は羨むばかりです。飛騨高山・白山郷・馬籠宿・下呂温泉等々、国際級の観光資源が目白押しです。「もの」の消費から「こと」が大事にされる時代、岐阜県は大きなポテンシャルを持っています。営業所を通じて少しでも岐阜県に役立つ会社を目指して参りたいと思います。
2016.05.09 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
●創業
昭和43年11月 豊橋市松山校区の比較的近い位置に隣接する(有)川西種苗店・(株)チカダ種苗店・(株)ヤマニ種苗店と旧田原町駅前に位置する福井種苗店が、当時の各社規模に合わせて資本出資し、トヨハシ種苗株式会社が誕生した。合併の主な理由は同年の豊川用水開通による地域の農業情勢激変に対する受け皿として、また第1次農協合併による商売環境の激変が底流にあったと言われています。
会社名称については、東三河および一部湖西地方を販売エリアと想定、その中心である豊橋市を根拠地とすることから豊橋の行政名をカタカタに変更し、当時一般的な種苗業界の呼称であった種苗をつけ、トヨハシ種苗株式会社として発足した。ロゴデザインも豊橋市の徽章「千切マーク」を参照、その中間を切り、トヨハシ種苗を真ん中に配置した。千切は吉田藩大河内家に伝わる徽章であり、結団、団結を意味し、創立時の会社にとっては意味のあるロゴであった。
ロゴの変遷
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また新会社設立に際して、合併のメリットをお客様にも理解していただく目的で、農業栽培技術の革新と指導を担う施設として、研究農場(当時はサカエ農場)の創設を企画したことは、その後の会社の発展に大きく寄与した。ただ売るだけではなく、種蒔きから収穫までお客様へのサービス、情報提供が可能な会社という理念を社員が共有できたからである。
●拡大・発展
紆余曲折はあったもののトヨハシ種苗は昭和43年11月産声を上げた。激烈な販売競争を繰り広げた4社の合併は、全国にも全く例のない試みでした。多くの種苗業者からの注目の的であり、やがて瓦解するのではないかとの厳しい意見も多かった。しかし当初の見込み通り、豊川用水の開通により、施設園芸需要は旺盛となり、麦・芋しか作れなかった荒れた農地もキャベツ畑となり、お客様の旺盛な需要に支えられて、会社は順調に売上を伸ばすことができた。そして資本の蓄積とともに、販売エリアの拡大を指向して、西三河安城、静岡県浜岡、三重松阪に営業所を新設。やがて販売エリアは愛知県・静岡県・三重県・岐阜県の一部まで拡大した。
●当社の強み
弊社の強みは、何といっても商売の源流が「種苗」販売だと言うことです。
しかも試験農場を併設することにより、単なる種苗の販売から、優良種苗の独自判断、栽培指導、新しい生産方法の提案に至るまでお客様へのサービスが可能になったことである。それに加えて希望する栽培品目に合わせて、新設ハウスの設計・施工業務、オリジナル養液栽培システムの設計・施工業務も大きな柱に育ってきました。種蒔きから収穫まであらゆる局面でお客様に商品や情報の提供ができるという点が弊社の最大の強みです。しかも単品販売でなく、お客様が希望通りの収穫に至るまで色々な局面でお手伝いできるということは弊社理念の具現化そのものです。
●転機
日本農業の衰退が問題となる中、高度施設園芸に対するにニーズはますます高まっています。弊社は日本でも有数の施設園芸地帯の中にあり、お客様の知恵をお借りしながら現場発のオリジナル商品もいくつか開発してまいりました。また近年は(株)デンソーさんとの共同開発による複合環境制御装置「プロファーム」を開発、販売を開始しました。本商品についてはメーカーとしての一面を持つようになりました。プロファームおよび弊社オリジナル開発商品につきましては、従来の東海4県への販売枠を超え、全国の産地への販売を念頭に販促活動をスタートしたところです。
● トヨハシ種苗株式会社からトヨタネ株式会社へ
弊社は2018年創業50周年を迎えます。半世紀続けられたのは、お客様のおかげ、社員のおかげでありますが、視点を変えれば社会に必要とされていたからであります。創業の成功要因は、4人の創業者がそれぞれの持ち分を発揮して協力し合えたこと、マーケット需要が予想通り拡大したこと、そしてもう一つは直接的な利益を生まない研究農場を開設してお客様への情報提供(サービス)に力を入れたことです。「トヨハシ種苗株式会社」の名前は地域の農業者には広く知られるようになり、多くの人は「トヨタネ」と言い、また一部の地域では「シュビョウ」と言われるようになりました。
●トヨタネ株式会社へ
トヨハシ種苗という名称は、創立4社の名前を冠にできないことを前提に考案されました。豊橋をカタカナ読みにしたわけですから、当初から名前に色濃く地域性が刻まれていました。設立時は、東三河及び一部湖西、三ケ日地区を種苗販売商圏と想定していたので、その中心都市豊橋の名前を付けることに違和感はありませんでした。しかし設立後まもなく施設園芸の発展とともに、農業資材とりわけビニール等農業フィルムの需要が拡大、スケールメリットを求め、販売地区の拡大要望が大きくなってきました。 昭和50年安城営業所開設を始めとして、浜岡、松阪、静岡営業所を次々開設、一挙に販売エリアが愛知・静岡・三重と岐阜の一部に拡大しました。
一方弊社が年2回発行しているカタログ誌「タネと資材」においては、早くも昭和46年秋号より、ロゴマークの中心がトヨハシ種苗からトヨタネに変更されています。また営業所においても浜岡営業所以降は、看板表示もトヨタネに変更されています。弊社カタログ誌が創立3年後に早くもトヨタネに変更されていることを考慮すると、トヨタネという名称はすでに地域に浸透していたことが伺えます。その後浜岡、松阪と県外に営業所設立の際には、ローカル色を薄める目的とトヨタネの愛称で呼んでもらいたいという二つの目的が存在したことは明らかであります。
創刊号B5サイズ |
変更前A4サイズ |
最新版A4サイズ
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●トヨタネ株式会社へのブランド統一
2018年会社創立50周年は半世紀です。農業の国内マーケットが縮小する中、会社が今まで以上に社会の役に立ち、お客様の支持率が上がり、結果としてより良い会社になるためには、「第2創業」の覚悟が肝要と思い至りました。社名変更は、歴史と伝統、そしてお客様から親しまれてきた「トヨタネ」を残しつつ、かつ過去に胡坐をかくことなく、原点に立ち返る目的で企画したものです。今後はトヨタネ株式会社の名称とロゴがお客様からの信頼の証と思われるよう、会社一丸となって努力を続ける所存です。今後は尚一層のご指導を宜しくお願い申し上げます。
2016.03.01 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
今年も早3月、間もなく新年度入りです。
弊社がお世話になっている施設園芸関係の新年度予算案ニュースが飛び交っています。
国も「自給率向上自体にはほとんど役立たない」施設園芸によりスポットを当てるようになってきたと感じています。いかに補助金を活用するか、関係者の知恵の見せ所です。
そんな折、ある席(行政職の方も見える席)で「補助金使わなくとも立派に施設園芸やっている人はいっぱいいるし、そういう人にもっとスポットを当てるべきでは」と発言したら、会議後にそんな青臭い発言するな、そんなこと言うからお前はお坊ちゃんだと忠告を下さった先輩が見えました。
またこんなブログを書こうと思っていると弊社の幹部社員に相談したら、「社長、あたりさわりのないよう優しく書いてくださいね」と忠告された。本当にその通りですね。
ただ私は、最近の論調が、日本の施設園芸は周回遅れ、規模が小さすぎる、勘にのみに頼っている、更に言えば次世代型施設園芸にとって代わるべきだという声を聞くたびに、現にここ30~40年間施設園芸で頑張ってきた専業農家の皆さんを全否定しているような気がして、心が落ち着かなくなるのも事実です。
新規に高度施設園芸を目指す産地や規模拡大を図るを産地、新規就農、あるいは新規参入法人には使えそうな予算があるのだけれども、昭和50年代当時に施設園芸を志し、現に何十年と活躍された農家の施設が老朽化し、いよいよ更新しようと思ってもなかなか使えるメニューが見当たらない。
建て替えは自己資金、税金が源である補助金の原理原則に反すると言われればその通りであると思いますが、新規参入や新設案件等に補助金、一方で数十年間苦労して、今日の施設園芸を築き上げた声の小さな専業農家は自己資金のみというのは、今後の競争においてフェアなのかどうか、同じスタートラインに立っているのかどうか、少々疑問を感じるこの頃です。もちろんこれからの時代を切り開くであろうやる気満々の若手農業経営者に国として支援メニューを用意することはとても良いことだと思っています。ただ世の中は水平ではないので、たくさん水がたまるところと乾くところがあります。
やはり忠告を聞くことなく、しゃべりすぎたかな・・・・。
2016.01.05 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
新年明けましておめでとうございます。
お客様に置かれましては昨年も大変お世話になりました。
厚く御礼申し上げます。
本年より社長ブログ再開します。その時々に思うことを書かせていただきます。
言うまでもなく日本人にとってお正月は特別行事です。
年末に大掃除を終え、鏡餅を飾り、正月用のお花を飾ります。
初詣やお世話になった方や親戚にご挨拶に行かれる方も多いと思います。
本年で59歳、まもなく還暦を迎える自分には今年是非とも心がけたいと思うことがあります。
会社に入って36年もたつと、自分自身に対してはもちろんのこと、自社の見方、働く同僚、またお客様に対しても自分なりのフィルターがかかり、心のプリズムで屈折、偏光して見えることが多いと思われます。
ただめったに自分では気がつかない。多くの垢や汚れもまあこんなものだろうと納得している自分がそこにいます。
リセット、或いはご破算の気持ちでもう一度しっかり目を見開くことを意識したいというのが今年の願いです。
具体的に言うならば非常に長くお世話になっているお客様に対しても、初めてお付き合いいただいた時に立ち返り、どう接したら振り向いていただけるかと言う位の気持ちで考え、行動すると言うことです。
昨年とても大きな商談をいただいたお客様から、「トヨタネ品質とは何か」と言う問いをいただきました。
もちろんこれは弊社の仕事の完成度に満足できないが故に出た言葉ですし、社長が答えなければならない問いであり、お客様もそのつもりで発した言葉だと確信しました。
しかし残念ながら具体的な回答をすることはできませんでした。
トヨタネ品質について、一つ一つの商品、サービスについて「ご破算願いまして」の覚悟で具体的に少しずつでもできる事から取り組んでまいりたいと思います。
またお客様に置かれましては、どしどし申し付けていただけば幸いです。
本年もどうか宜しくお願い申し上げます。
2014.01.30 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
日本の農業は、経営規模が小さすぎることを除けば、世界的にも非常に恵まれている。本当かと疑う人も多いと思うが、以下の点ですばらしい。まず第一に、国土が縦に長く、寒冷地から亜熱帯地区まで有する。キャベツや白菜、レタス
、大根など主要な葉菜・根菜類は、国内産しかも露地で、産地のリレー栽培による周年供給が可能である。第二に、全土にわたって降雨量が一定以上あるため、水がないことによる旱魃(かんばつ)はまず起こらない。この2点とも満たす国は、そう多くない。自給率の低下を心配する人は多いが、日本という国は潜在的に自給が可能なのです。
しかし、それでも高品質なトマトや胡瓜などを冬春に国内で供給するためには、どうしても施設園芸が必要となる。トマトを冬場に収穫するためには、でき得る限りの光と一定以上の温度(当地方では夜間最低温度13℃が基本のようです)が必要となる。
こうした背景により、重油焚きの温風暖房機が普及した。トマトにおいて言うならば、1シーズン10a当たりの重油使用量は10kℓを超える場合がある。かつては、重油の価格は30円台/1ℓの時代もあった。それが今や、100円を超える勢いである。仮に、かつての重油価格と今の重油価格の差が70円とすれば、70円×10,000ℓ=70万円の経費負担増となる。先進農家にとっては、暖房費を節約する(設定温度を下げる)か、増収を目指すか、または撤退かの選択を迫られる。
当地方の多くの先進農家は、増収を目指し節約はしないという決断をした。その際に援軍となるのが、ヒートポンプである。重油とのハイブリッド(?)加温によって、暖房経費を少しでも少なくしようとする努力が続いている。弊社は、少しでもこうした農家を応援できる企業でありたいと思う。
2013.12.26 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
今年も無事に下期勉強会を開催することができました。もともと弊社では、忘年会だけは会社スタ
ッフ全員が集まり、しかも飲酒運転の心配がないように(気兼ねなく思いきり飲めるように)と、泊まりがけで行なっていました。「ホテルに全員宿泊の忘年会なんて、結構贅沢ですね。」と言われることもありますが、我が社にとっては長年続く重要行事であり、全社フェイス
ツウ フェイスの貴重な場ということで、私も大事にしています。とはいっても、現在のスタッフは約170名…これが200名を超えるようになると会場がなくなるでしょうから、もうぎりぎりです。また、せっかく忘年会で全員が集まるのだから、その前に「下期勉強会」を付けくわえようと数年前からこの形式になったのが、本当のところです。
しかし、今年の下期勉強会はいつもと違っていました。(株)デンソーさんとの農業支援ビジネス分野での提携発表、そして、中堅社員が中心となった5年・10年後の会社の方向性にスポットを当てた「未来プロジェクト」の中間発表がありました。会社は、確実に新しい階段を上がろうとしています。特に(株)デンソーさんとの取り組みは、単に相手が巨大企業というだけでなく、日本のものづくりの中核企業ということで、「販売業」をベースに仕組みが出来上がっている弊社にとっては、二重の意味で未知との遭遇です。教えてもらうことばかりですが、それに恥じることなく「夢」を熱く語り合うようになれば、モチベーションもアップします。正直、私の器のなさゆえですが、社員が本来持っている能力、ポテンシャル、成長志向を十分発揮できていない会社の現状があると認識しています。成長したいと思う人がグングン成長できる会社、年末に「今年は頑張ったなあ。」と一人一人が思えるような会社を、目指したいと思います。そんな会社を目指して、来年はいよいよ上記案件の実行の時、会社全員の力でよい年にしていく所存です。
2013.12.10 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
早、師走!そんな印象が特に強い1年です。今年の流行語大賞に「いつやるか?今でしょう」が選ばれましたが、弊社にもまさに「今でしょう!」があります。
12月3日、㈱デンソーさんの「農業支援ビジネス参入」プレス発表に同席させていただきました。多くの記者、TV局が参集されました。超優良大企業でありますが、自動車関連事業者と認識されている㈱デンソーさんが「農業ビジネス参入」という切り口は、メディアとしても新鮮だったのでしょう。当日夕方のTV、そして翌日の朝刊各紙で取り上げられました。
弊社は、㈱デンソーさんと共同で、施設園芸(当面はトマト対象)における生産性向上技術を網羅した「プロファームシステム」(商品名)の開発、販売に向けた一歩を踏み出しました。当面は、施設園芸トマト栽培における単位面積当たり生産性を、従来農法と比べ2~3倍にすることを目指します。そのために必要な設備投資を最小限に抑えながら、実用レベルで10a当たり40トン以上の収穫を目指します。
更に特筆すべきは、㈱デンソーさんならではの技術として、トヨタ生産システムにおける「カイゼン」を農作業現場に導入し、働く人の労働生産性を格段に向上させようと計画していることです。「カイゼン」という言葉は、深い思想と実践を意味するキーワードです。社長以下管理職は、常に「カイゼン」を志向し、組織に実行させる役目があると教えられました。常に生産性の向上とコストダウン、そして、お客様にとってより付加価値の高い商品を生み出すべく、「カイゼン」に夢中になる必要があります。現在の農作業現場において、規模拡大を目指す専業農家にとっては雇用労力の使い方も最重要課題です。農作業現場に「カイゼン」思想を持ち込むことは、大変価値があると確信しています。ITを駆使した、高品質でアイデアに満ちた機器、その上に適切な栽培指導、更に「カイゼン」が加われば、真に農家の皆様に役立つ商品になるのではないかと夢見ています。農業における「カイゼン」の取り組みはこれからですし、またそれをどうビジネスとするのか、今のところ答えは全くありませんが、とても楽しみだと思います。まさに「いつやるか?今でしょう」。
2013.10.31 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
心配された台風27号・28号の直撃は免れ、やれやれというところですが、過去には平成2年11月30日に和歌山に上陸し、東海地方の農業にも大きな被害を出した28号台風もありましたので、今年の異常な暖秋傾向の中では、まだまだ気の抜けない日々が続きます。
弊社は、10月23日(水)~25日(金)に東京ビックサイトで開催されたアグロ・イノベーション2013に、株式会社デンソー様と共同出展いたしました。
世界の施設園芸の先進地はオランダでありますが、オランダと日本では気候条件・地理条件などによる栽培環境も大きく異なり、ハウスの規模も10倍以上の開きがあります。日本においては、一部の企業経営を除けば土地の制約もあり、今後は10a~30a規模のハウスが主流と思われます。家族経営をベースとして、能力に応じてその数を増やし、必要に応じて雇用労力を活用するという流れが、最も経営の安全性を担保できると考えます。こうしたニーズを持つお客様に最も提案したいのが、株式会社デンソー様との共同開発による「Profarm」(プロファーム)です。プロファームは、単に高度な環境制御装置ということではなく、日本の施設園芸における最適な栽培環境を実現する一連のシステムであり、それは単位面積当たり収量のMAXを目指します。同時に、将来はトヨタ・デンソーの「カイゼン」思想を取り入れ、種蒔きから収穫に至るまでの作業性改善を通して労働生産性の向上を目指します。単位面積生産性×労働生産性のダブル効果により、国際競争力のアップと働く人の労働時間短縮を図ることができれば、日本の園芸農業は明るい未来を描くことができます。そんな夢の実現の一端でもお役に立ちたいとの想いで、しっかり育てたいと思います。今回のアグロ・イノベーション2013への出展は、やっとそのスタートラインに立てたということで、企画させていただきました。
2013.09.26 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
今年も秋本番となりました。春は桜の開花期が話題になりますが、秋は彼岸花の開花が気になります。桜は、年によって1週間以上開花期が異なる年があるのに対し、彼岸花は、ほぼ正確に秋分の日前後に咲きます。今年も無事、咲きました。少々大げさながら「マンジュシャゲ」とも言われ、やや不人気な花ですが、河辺に一面に咲く真っ赤な彼岸花を見ると、私は『まだ地球は狂ってない』と安心するのです。
話は変わり、冬トマトは、当社にとって最も重要な園芸品目です。近年は産地間競争も激しく、豊橋で面積を拡大している中、熊本(特に八代地区)では、今後100ha近く増設するという話も聞いています。熊本と愛知(東三河)の戦いの様相になっていますが、少し違うのは、熊本は規模(面積)の拡大を目指しているのに対し、豊橋・渥美は面積の拡大よりも単位収量のアップに力点を移しつつあるということです。所謂『統合環境制御技術』を駆使して、いかにしてMAXの収量を目指すかがテーマです。このように言うと、品質や高糖度も重要じゃないかと感じる方もいると思いますが、当社では、高収量技術=基礎技術、高糖度トマト=応用技術と考えています。従って、「トマトの生理を理解した高収量栽培技術を会得すれば、応用技術も容易くなる」という考えのもと、ひたすら高収量技術に結び付くハード・ソフトの開発に焦点を絞っています。
また、もう一つ重要なのは、施設園芸における労働生産性の向上です。先述の通り、作物の生理を理解して適切に管理すれば、余分な管理仕事も減ることになりますが、ここでは、作業環境及び工程の改善を通した労働生産性の向上のことを指します。
高収量技術と労働生産性の向上は、TPPにも負けない日本の施設園芸の将来のために、必ず必要となる条件です。
当社では、その取り組みのほんの一部でもお伝えしようと、下記の通り開催されます、アグロ・イノベーション2013に出展します。少しでも多くの方に見学いただければ、幸いです。
*アグロ・イノベーション2013*
会期:2013年10月23日(水)~25日(金)10時~17時
会場:東京ビッグサイト 東6ホール
2013.09.04 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]
既に立秋が過ぎ、日没が早くなるのを実感するこの頃ですが、例年以上の残暑が続いています。また豊川水系は水源地が愛知県北設地方にあり、流域面積が非常に狭いため、愛知県東部に雨が降らないと途端に水不足状態となります。現在、豊川用水は20%の節水、多くの農地で曜日毎の間断給水が実施されているため、キャベツ等の露地野菜、トマト等の施設園芸農家ともに大変な苦労を強いられています。キャベツやトマトの苗が無事活着することを祈るばかりです。
現在は、そのキャベツ苗にしてもトマト苗にしても、購入苗の比率が毎年高くなっています。弊社にとっても苗事業はメインビジネスとなってまいりました。本年度、弊社では、ミッション・ビジョン・バリューを再定義しようと取り組んでいます。その中のバリュー(新綱領)のトップに来る価値観は、「業界で最高の商品、サービスを提供する」です。しかし、この苗ビジネスにおいて、上記価値観からは程遠い現実があり、多くのお客様にご迷惑をかけ、お叱りを頂戴しています。正直、受注ミスも多く発生しましたが、商品そのものの品質や病害虫管理体制にも多くの不備を指摘されています。あるお客様に至っては、そもそもトヨタネには「商品の品質基準に対する定義があるのか、組織として共通の認識があるのか」と指摘を受けました。この現実の中で、「業界で最高の商品、サービスを提供する」という言葉は、絵空事です。私の任務は、当社の現実と掲げた理念が一致するよう、不断の努力を続けることであります。現実を具体的、実践的に、一つ一つ汗を流しながら解決する姿勢を明確にすること自体が、組織として上記理念を本気だと感じてもらえる唯一の道と確信しました。社長以下、全社一丸となって取り組み、お客様からこの苗なら安心して育てられると言っていただけるよう、取り組みましょう。