ブログ「社長のつぶやき」

2011.02.01 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]

鳥インフルエンザ発生

皆さんこんにちは




皆さんニュースでよく知っている通り、1月26日午後、豊橋の15万羽を飼育するウインドレスタイプの近代的な鶏舎で鳥インフルエンザが発生したというニュースが全国に流れました。



私はこのニュースの聞いた時、これは大変なことになるのではないかと恐れました。15万羽を飼育する農場であれば、相当な設備で予防をしていることは間違いないと思ったからです。



連鎖的に他の鶏舎でも鳥インフルエンザが出たならば、日本中がパニックになり、卵が食べれなくなるのではと思うほどでした。報道では名前は出ませんでしたが、個人的なルートで、私の知っている尊敬する大先輩の経営であることは分かりましたし、隣はやはりよく知っている著名な肉牛の生産者でしたし、半径10km以内で出荷が出来ない生産者も何人かよく知っています。



日本の農業の中で鶏卵は最も資本集約が進み、国際競争力も高い産業です。30年前の卵は20円でしたが、今も20円以下です。たぶん30年前よりも安いですし、それ以前はもっと高価な食品でした。少なくとも自分が会社に入った時の初任給は10万円前後だっと思いますが、今は約20万です。
なぜ卵はかくも長い間値段が変わらないのか、むしろ安くなっているのか、農業関係の会社である当社に入社する皆さんには少し考えていただきたいと思います。


かつて鶏卵を出荷する農家は何10万といました。今は全国でたった3000程度です。何10万の農家から3000になる過程においては、すざましい歴史があったのです。上記のインフルエンザが発生した経営体も、もともとは農家ではなく、鶏卵生産農家に飼料を売る業者だったのです。多くの鶏卵農家は、鶏卵の価格の乱高下にとって経営が苦しくなり、飼料を買う業者への借金が払えなくなりました。また飼料販売業者も意図したわけではないですが、支払いのできない農家の経営に自ら乗り出し、経営に参加することによって、借金の返済を図らざるを得なかったのです。


このようなことはビジネスの世界ではよくあることです。借金の返済が滞っているお客様(生産者)に対して、生産資材の供給を止めれば、相手は破産の危機に瀕します。しかし売り続ければ不良債権が増大するリスクが高まります。さあどうするかです。


多くの飼料業者は、その生産者を倒産させる代わりに 自らがその経営に乗り出し、債権の回収を図るという選択をしたのです。そして風雪に耐えた一部の経営感覚の優れた農家と資本力のある飼料業者がひたすら生産性アップを追求したのが現在の鶏卵業界の姿です。


私の個人的な見解を述べさせていただくならば、10円近い値段の卵が普通だと思っている消費者の常識の方が、むしろ考え直すべきではないかと思います。30年前の物価の水準からいえば、40円から50円くらいが妥当な価格です。消費者が50円の卵を買ってくれるなら、生産者も理想的、健康でかつ環境にも優しい、リスクにも強い卵が生産できるのではないかと思います。





豊橋での鳥インフルエンザの発生後の愛知県行政の対応はさすがにスピード感があり、今のところ素晴らしいと思います。2年前のウズラの教訓がしっかり生きていると思います。最速で2月3日には他の生産者の出荷制限が解除される見通しです。現場で頑張っている職員の多くは、1秒でも早く生産者の苦しみを解消しようと必死になって努力しているのだと思います。


殺される鶏は本当に気の毒です。殺された鶏の為にもこのままインフルエンザが終息し、原因と対策がしっかりと取られることを強く望みます。

2011.01.25 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]

70分の電車の旅

皆さんこんにちは

先週は、会社の研修(ランチェスター研修)の合宿で、奥三河の湯谷温泉ホテル「泉山閣」という処に宿泊しました。
ほかのメンバーは朝からバスで行ったのですが、私は午前中用事があり、1時間に1本の各駅停車の飯田線に乗ること70分、「湯谷温泉駅」で下車しました。何も目新しいことはないように思うかもしれませんが、改めてこの「飯田線」は市内を走るチンチン電車(市電)とともに豊橋市民が誇るべき素晴らしい財産だと感激しました。今までこの町に住みながら飯田線で新城以北に入ったことがなかったのです。しかし今回飯田線の真の魅力は新城を過ぎてからの山間の田園風景や渓谷であることがよくわかりました。また同時に山村に入るほど乗り降りする乗客の数が減り、かつ平均年齢が高くなることも実感しました。電車に乗りながら過疎と高齢化という社会の現実を体験することができます。
そして何よりも遅いとはいえたった70分の電車の旅で、旅情を誘う湯谷温泉に着き、少し濁り湯の素晴らしい温泉に入りながら、トンビの声がこだまする美しい川と渓谷を眺めることができる満足感を味わうことができるのです。50年以上この地に住みながら、こんな素晴らしい体験がたった70分の電車旅でいつでも手に入れることができるんだという「発見」に私は胸がわくわくしました。本当です。

奥三河地方

また泉山閣は手作りの心の通う素晴らしい旅館です。皆さんも同期会とか、家族会とか色々使えそうですよ。豊橋駅から飯田線鈍行で約70分、駅から泉山閣は300メートルくらい歩くだけです。


先週の新聞記事より

年を明けてから「管総理」の態度がかなり変わったと思いませんか?「財政再建」と「貿易の自由化」そして政治的には「小沢さんの追い落とし」へ と突き進めることの覚悟を決めたような気がします。おそらくこのまま突っ走るでしょう。TPP参加も間違いなく本気です。実際産業界は70%以上TPP参加を是としているようなので、この流れは止められないでしょう。
私は豊橋の農業委員なのですが、先日TPP反対の請願書を作ることになり、その作成に関わりました。農業委員会の立場としてはTPPには絶対反対なのですが、今回ばかりは多くの農業寄りの政治家も「参加やむなし」に傾きつつあるように感じます。私個人の意見としては、TPPへの早期の参加は米国の戦略にはまるだけのように感じています。戦略的な対策もなくスピードだけを重視するならば、農業が壊滅するだけでなく、上記でも述べた日本の美しい田園風景そのものが壊滅してしまうのです。それよりもオーストラリア及び韓国、そしてEUとのEPA締結を優先させたほうがよいと思います。その後最後の強敵、米国と中国相手に交渉を始めるべきだと思っています。農産物の貿易自由化で一番打撃を受けるのは、米と乳製品、そして 牛・豚です。当社の主なお客様である施設園芸農家はほとんど影響を受けません。むしろ自由貿易をきっかけとして輸出のチャンスが拡大したと考えたほうがよいでしょう。日本は農産物の輸出についても、障壁が多すぎるのです。その点は多くの関係者が指摘している通りです。その是正を強く求める運動を起こしたほうが良いと思います。いずれにせよ専業で頑張ろうとしている農家は、自由化の流れをチャンスととらえ、輸出を含む販売戦略の構築に力を注いだほうがずっと良いというのが私の意見です。

それではまた来週

2011.01.06 [ 社長のつぶやき | 日々のつぶやき ]

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
弊社は1月4日までお休みをいただき、5日から新年営業開始です。

本年度は、年末年始7日間休業させていただいたのですが、天気予報では正月大寒波の予報が再三流されていたので、休業中にお客様の暖房器が稼働しない、あるいは養液システムが作動しない、または大雪でハウスがつぶれたというような事故が起きないか、大変心配していました。
結果的に予想に反して年明け以降は快晴が続き、お客様に致命的な大事故が起きたという報告は上がってこなかったので安どしているところですが、個別にはかなりのお客様から当社営業の携帯にSOSがあったようで、現在集計しています。

いずれにいたしましても、年末年始の会社としての緊急体制に改善すべき事項が多くあり、今年の年末はどうあるべきか、早速対策を考えたいと思っています。
要はお客様のSOSが、必ず会社に届き、かつお客様のハウスの中の作物が致命的なダメージを与える前に問題解決する体制が整っているかどうか、そしてそのことがお客様に「見えて」いるかどうか、いざという場合でも弊社との取引なら安心と思っていただけるような体制がとれているのかどうかと いうことだと思います。
正直理想からは大分遠いのが実態ですが、できるところから改善いたします。

一方、弊社社員も今では地元出身者よりも、遠地のものも多く、正月くらい実家でゆっくりさせてやりたいと思う親心もあり、調和をとることも大切だと感じています。

新しいHPとなり、このつぶやきコーナーは出来うる限り、日々感じること、些細なことでも書いていけたらと思い、スタートさせていただきます。
それは私自身が新年のあいさつで、お客様に会社が「見える」、社長が「見える」ということが長い信頼関係を結ぶに際してとても重要なことと自ら社員に話したからであります。

文章は上記のように下手ですが、今後も気にしていただけたら幸いです。
今年もよろしくお願い申し上げます。